32AM042|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
非侵襲的修復法〈ART〉に用いる器具・器材と材料の組合せで正しいのはどれか。1つ選べ。
解答・解説を見る
正解: d
正答
d:スプーンエキスカベーターーーーグラスアイオノマーセメント
この問題のポイント
ARTは電動切削器械や水道設備が乏しい場でも行える低侵襲なう蝕治療である。手用器具で軟化象牙質を除去し、接着性とフッ化物徐放性をもつグラスアイオノマーセメントで封鎖する。
解説
非侵襲的修復法〈ART〉では、窩洞へ到達できる範囲を手用器具で開き、スプーンエキスカベーターで感染性の軟化象牙質を除去する。健全歯質を広く削って保持形態を作ることは避け、窩洞と隣接する小窩裂溝を高粘度グラスアイオノマーセメントで充填・封鎖する。同材料は歯質へ化学的に接着し、フッ化物を放出するためARTに適する。エアタービンやレーザーを前提とする組合せは、電力を使わず手用器具中心で実施するARTの特徴に合わない。
選択肢の確認
- a エアタービンーーーコンポジットレジン:高速回転切削と接着性レジン修復の一般的な組合せで、ARTが重視する手用器具だけの処置ではない。
- b ラバーカップーーーバーニッシュ:ラバーカップは研磨・清掃、バーニッシュは表面被覆などに用い、軟化象牙質除去と窩洞充填を完結できない。
- c Er:YAGレーザーーーー酸化亜鉛ユージノールセメント:レーザーによる硬組織切削は専用装置が必要で、ZOEもARTの標準的永久修復材ではない。
- d スプーンエキスカベーターーーーグラスアイオノマーセメント:手用器具でう蝕象牙質を除去し、接着・フッ化物徐放をもつ材料で封鎖するARTの基本構成である。
覚えるポイント
ARTは「回転切削なし・スプーンエキスカベーター・高粘度グラスアイオノマーセメント」。最小限の歯質除去と小窩裂溝封鎖を同時に行う。