32AM041|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
48歳の女性。歯肉からの出血と口唇の乾燥を主訴として来院した。 初診時の口蓋側面観の口腔内写真(別冊午前No. 7)を別に示す。 矢印が示す特徴と関連の強いのはどれか。1つ選べ。

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正解: a
正答
a:口呼吸
この問題のポイント
写真では上顎前歯部の口蓋側歯肉に、矢印で示された帯状の発赤・腫脹がみられる。口唇乾燥という主訴も合わせると、吸気による粘膜乾燥が続く口呼吸との関連が強い。
解説
鼻閉や口唇閉鎖不全で口呼吸が続くと、上顎前歯部の歯肉と口腔粘膜が気流へさらされる。唾液による湿潤・自浄・緩衝作用が低下し、プラークの影響も加わって辺縁歯肉が発赤、腫脹しやすい。写真の口蓋側前歯部に広がる炎症像は、特定の歯間だけに生じる食片圧入や、早期接触歯の支持組織に現れる咬合性外傷よりも、乾燥範囲に対応した所見である。問診では鼻疾患、睡眠時の開口、いびき、口唇閉鎖の可否を確認し、清掃指導だけでなく鼻呼吸を妨げる原因への対応も検討する。
選択肢の確認
- a 口呼吸:前歯部歯肉へ気流が当たり続けて乾燥し、唾液の保護作用が失われるため、写真の広い発赤と口唇乾燥を説明できる。
- b 食片圧入:隣接面接触や辺縁隆線の異常で食物が歯間へ押し込まれる病態で、炎症は通常その歯間部へ局在する。
- c 不正咬合:清掃困難や口唇閉鎖不全を介して影響する場合はあるが、写真の乾燥性歯肉炎を直接示す所見名ではない。
- d 咬合性外傷:過大な咬合力で歯根膜腔拡大、動揺、垂直性骨吸収などを生じる病変で、帯状の粘膜発赤とは異なる。
覚えるポイント
口呼吸の口腔所見は口唇乾燥、前歯部歯肉の発赤・腫脹、口腔乾燥。病変の広がりが気流へ露出する範囲と合うかを見る。