32PM042|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
45歳の男性。下顎歯肉の腫脹と出血を主訴として来院した。検査の結果、慢性歯周炎と診断され、歯周治療を行うことになった。 初診時の正面観の口腔内写真(別冊午後No.10A)と下顎前歯部舌側面観の口腔内写真(別冊午後No.10B)を別に示す。 歯周基本治療開始前に説明すべきリスクはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: b・d
正答
b:食片圧入、d:象牙質知覚過敏症
この問題のポイント
写真では全顎的な歯肉腫脹と下顎前歯舌側の著明な歯石を認める。基本治療で炎症・歯石が除かれると歯肉が退縮し、歯間空隙と露出根面が現れる可能性を事前説明する。
解説
スケーリング・ルートプレーニングとプラークコントロールで浮腫性に腫脹した歯肉が引き締まると、歯周炎ですでに失われていた支持組織の形態が表面化する。乳頭部が下がれば歯間に食物が入りやすくなり、根面露出と象牙細管の開口により冷水痛などの知覚過敏が生じ得る。これは治療で新たに組織を失うという意味ではなく、炎症消退に伴う外観・感覚の変化として説明し、歯間清掃法や知覚過敏への対応も示す。
選択肢の確認
- a 歯根破折:垂直性歯根破折は失活歯への過大な咬合力や支台築造などと関連し、通常の歯周基本治療後に予測される変化ではない。
- b 食片圧入:腫脹していた歯間乳頭が退縮して歯間空隙が広がると、食物が入り込み停滞しやすくなる。
- c 歯の変色:歯石除去や炎症消退は歯髄壊死や内因性着色を起こす処置ではなく、歯冠色の変化を通常のリスクとはしない。
- d 象牙質知覚過敏症:歯肉退縮で根面象牙質が露出すると、開口した象牙細管への刺激で一過性の鋭い痛みが出ることがある。
覚えるポイント
歯周基本治療後の代表的変化は歯肉退縮、歯間空隙、食片圧入、根面知覚過敏。治療前写真を用いて見た目と清掃法の変化まで説明する。