32AM045|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
49歳の男性。上顎右側小臼歯部の歯肉の腫脹を主訴として来院した。 検査の結果、慢性歯周炎と診断され、歯周基本治療後に歯周組織再生療法が行われることになった。歯周外科治療時の口腔内写真(別冊午前No.10A、B)を別に示す。 第一小臼歯近心の骨欠損部に対して行われたのはどれか。1つ選べ。

解答・解説を見る
正解: a
正答
a:GTR法
この問題のポイント
写真Bでは第一小臼歯近心の骨内欠損を膜で覆っている。上皮や歯肉結合組織の侵入を遮り、歯根膜由来細胞の増殖空間を確保するGTR法の術中像である。
解説
歯周組織再生誘導法〈GTR〉は、骨欠損部と歯肉弁の間に遮蔽膜を置き、増殖の速い接合上皮・歯肉結合組織細胞が根面へ到達するのを防ぐ。歯根膜由来細胞や骨芽細胞が根面周囲へ移動できれば、新生セメント質、歯根膜、歯槽骨による再生が期待できる。写真Aで弁を開いて骨欠損を明示し、写真Bでは白い膜が近心欠損を被覆している。膜の固定、創部の一次閉鎖、感染管理が成功に重要で、喫煙や不十分なプラークコントロールは予後を悪化させる。
選択肢の確認
- a GTR法:骨欠損をバリアメンブレンで覆い、再生に望ましい細胞を選択的に誘導する術式で、写真の膜に一致する。
- b 新付着術:ポケット内壁除去と根面処理後に歯肉弁を根面へ適合させるが、遮蔽膜で細胞侵入を制御する方法ではない。
- c 自家骨移植術:患者自身の骨を採取して欠損へ填入するため、術野には粒状・小片状の移植骨が見え、膜単独の像とは異なる。
- d 歯肉結合組織移植術:口蓋などから結合組織を採取し、歯肉退縮や軟組織量の改善に用いるもので、骨内欠損再生用の膜ではない。
覚えるポイント
GTRの識別点は骨欠損を覆う遮蔽膜。目的は上皮の侵入阻止と、歯根膜・骨由来細胞が再生する空間の維持である。