32AM044|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
50歳の男性。下顎右側第一大臼歯の軽度の冷水痛を主訴として来院した。 う蝕症第2度と診断され、3ステップ接着システムによるコンポジットレジン修復を行うことになった。接着操作時の口腔内写真(別冊午前No.9 A、B)を別に示す。 この操作により得られるのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
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正解: a・d
正答
a:歯面の粗造化、d:スメアー層の除去
この問題のポイント
写真Aはリン酸エッチング材の塗布、Bは水洗操作である。3ステップ接着システムの酸処理段階では、エナメル質に微細な凹凸を作り、象牙質表面のスメアー層を除く。
解説
窩洞形成後の歯面には切削屑からなるスメアー層が存在する。リン酸でエッチングすると、エナメル質の表層が選択的に脱灰され、レジンタグ形成に適した微小な粗造面が生じる。象牙質ではスメアー層とスメアープラグが除去され、表層が脱灰してコラーゲン線維網が露出する。次のプライマーが湿潤象牙質へ浸透し、さらにボンディング材を重合して初めて樹脂含浸層〈ハイブリッド層〉が形成される。感染歯質の除去は接着操作より前の窩洞形成段階で行う。
選択肢の確認
- a 歯面の粗造化:リン酸でエナメル質を微細に脱灰し、接着性レジンが入り込む多数の凹凸を作る効果である。
- b 感染歯質の除去:細菌感染した軟化象牙質はバーやエキスカベーターで機械的に除去するもので、酸処理の目的ではない。
- c 樹脂含浸層の形成:脱灰象牙質へプライマーと接着材のモノマーが浸透・重合して形成されるため、写真の酸処理だけでは完成しない。
- d スメアー層の除去:切削で生じた象牙質表面の汚染層をリン酸処理と水洗で除き、接着材が浸透できる状態にする。
覚えるポイント
3ステップはエッチング→プライミング→ボンディング。酸処理で粗造化・スメアー層除去、後続のプライマーとボンドで樹脂含浸層を作る。