32AM046|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
55歳の女性。下顎左側臼歯部の欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。 診察の結果、下顎臼歯部は固定性ブリッジによる治療を行うことになった。 連合印象採得後の写真(別冊午前No.11)を別に示す。 矢印で示す印象材の特徴はどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: c・d
正答
c:加熱によりゾル状態へ変化する。、d:ハイドロコロイド系印象材である。
この問題のポイント
連合印象の写真で、支台歯周囲の青色部分は寒天印象材、トレー内の桃色部分はアルジネート印象材である。矢印の寒天は可逆性ハイドロコロイドである。
解説
寒天印象材は水を分散媒とするハイドロコロイドで、加熱すると流動性のあるゾル、冷却すると弾性をもつゲルへ可逆的に変化する。連合印象では、精細な再現が必要な支台歯周囲へ寒天を注入し、トレーに盛ったアルジネートで裏打ちして一体で撤去する。寒天はシリンジやコンディショナーで温度管理して用い、粉液比で硬さを調節しない。水中保存では吸水による膨潤、空気中では離液による収縮が生じるため、採得後は速やかに石膏を注入する。
選択肢の確認
- a 硬さは粉液比で調整する。:寒天は既製のゲルを温度でゾル化して使う材料で、粉末と液を練和して性状を変える方式ではない。
- b 寸法安定性は水中で向上する。:水に浸すと吸水して膨潤するため寸法が変化し、保存によって精度が上がるわけではない。
- c 加熱によりゾル状態へ変化する。:熱で高分子網目がほどけて流動化し、冷却で再びゲル化する可逆的性質をもつ。
- d ハイドロコロイド系印象材である。:水を分散媒とするコロイド材料で、寒天は可逆性、アルジネートは不可逆性ハイドロコロイドに分類される。
覚えるポイント
寒天=可逆性、加熱でゾル・冷却でゲル。アルジネート=化学反応で硬化する不可逆性。どちらも吸水・離液による寸法変化に注意する。