32PM045|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
70 歳の男性。下顎左側臼歯部欠損による咀嚼困難を主訴として来院した。 診察の結果、部分床義歯を製作することになった。義歯の精密印象採得前に行ったある操作の口腔内写真(別冊午後No.13)を別に示す。 矢印で示す操作の目的はどれか。1 つ選べ。

解答・解説を見る
正解: d
正答
d:印象体の撤去を容易にする。
この問題のポイント
写真の青い材料は残存歯の歯間部アンダーカットを埋めるブロックアウトである。印象材が深く入り込んで裂けたり外せなくなったりするのを防ぐ。
解説
部分欠損歯列には、傾斜歯、鼓形空隙、ブリッジ下部など印象材が機械的に嵌合するアンダーカットが存在する。精密印象前にユーティリティワックスなどで不要な陥凹を封鎖すると、硬化した印象体を一定方向へ無理なく撤去でき、印象材の断裂、変形、残存歯への過大な力を避けられる。これは個人トレーのスペーサーで印象圧を調整する操作や、支持を与えてトレー沈下を防止するストッパーとは異なる。
選択肢の確認
- a 印象圧を均等にする。:選択圧印象のスペーサーや遁路の設定に関する目的で、歯間アンダーカットを青いワックスで塞ぐ理由ではない。
- b 印象時の沈下を防ぐ。:個人トレーのストッパーは粘膜面への沈下を規制するが、写真では残存歯間の陥凹を処理している。
- c 印象材の流動性をよくする。:流動性は材料の種類、練和、温度などに依存し、口腔内のブロックアウトで高くなる性質ではない。
- d 印象体の撤去を容易にする。:印象材が歯間へロックされるのを防ぎ、硬化後の印象を損傷なく取り出せるようにする。
覚えるポイント
ブロックアウト=不要なアンダーカットを封鎖して撤去を安全にする操作。スペーサー=印象材の厚み、ストッパー=トレー位置の再現と沈下防止である。