32AM047|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
75歳の男性。上下顎義歯の紛失による咀嚼困難を主訴として来院した。 診察の結果、上下顎全部床義歯を製作することになった。ある装置を試適している口腔内写真(別冊午前No.12)を別に示す。 本装置の口腔内試適時に確認するのはどれか。2 つ選べ。

2つ選択
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正解: b・c
正答
b:構音機能、c:咬合関係
この問題のポイント
写真は人工歯を排列したろう義歯の試適である。最終重合前に、上下顎の咬合、人工歯の位置、審美性、発音、口唇支持などを患者口腔内で確認する。
解説
ろう義歯試適では、咬合器上で設定した顎間関係が口腔内でも正しいかを、中心咬合位、咬合高径、前歯・臼歯の接触、偏心運動などから確認する。前歯排列と床外形は発音へ影響するため、「サ行」「タ行」などを発音してもらい、舌と前歯・口蓋との関係を評価する。顔貌、口唇の豊隆、笑線、正中線、人工歯の色調について患者の同意を得られる最後の段階でもある。ろう床は強度と適合が最終義歯と異なるので、最大咬合力や食物を使った咀嚼能率は完成後に評価する。
選択肢の確認
- a 咬合力:ろう床は変形・破損しやすく、完成義歯と支持状態も違うため、力をかける定量的咬合力測定には適さない。
- b 構音機能:人工歯の唇舌的位置や口蓋側床形態が子音形成へ影響するので、実際の発音を聴いて調整する。
- c 咬合関係:中心位での接触、咬合高径、前歯被蓋、左右のバランスを重合前に確認し、誤りがあれば排列を修正する。
- d 咀嚼能率:試験食品を実際に咀嚼する評価は、十分な強度と適合を得た完成義歯の装着後に行う。
覚えるポイント
ろう義歯試適は「咬合・発音・審美・口唇支持」の最終確認。強い咬合や食物咀嚼を伴う機能検査は完成義歯で実施する。