31PM043第31回 歯科衛生士国家試験 過去問

過去問題

65歳の女性。温かいお茶を飲む時に上顎左側臼歯部に鋭い疼痛を感じるようになったことを主訴として来院した。数年前から口蓋側歯肉の腫脹と排膿を繰り返していたが、放置していたという。診査の結果、急性歯髄炎と診断された。初診時の口腔内写真(別冊午後 No.9A)、エックス線画像(別冊午後 No.9B)および歯周組織検査結果の一部(別冊午後 No.10)を別に示す。 歯髄炎の原因で考えられるのはどれか。1つ選べ。

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正解: d

正答

d:深い歯周ポケットからの感染

この問題のポイント

写真に明らかなう蝕はなく、検査表では原因歯口蓋側に8〜10mmの深い歯周ポケット、出血、動揺がみられます。歯周病変から歯髄へ及ぶ逆行性感染です。

解説

長期間にわたる口蓋側歯肉の腫脹・排膿、エックス線像の高度な歯槽骨吸収、プロービング値10mm・8mmという所見は、深い歯周病変が根尖側へ進展していることを示します。歯周ポケット内の細菌や毒素が根尖孔、側枝、象牙細管などを介して歯髄へ達すると、う蝕がなくても歯髄炎を起こし得ます。温熱刺激で鋭痛を生じた急性歯髄炎は、この歯周—歯内病変による逆行性歯髄炎として説明できます。

選択肢の確認

  • a う蝕:口腔内写真とエックス線像で歯冠から歯髄へ達する深いう蝕が確認できず、本症例の感染経路を説明しません。
  • b 歯根破折:破折線や破折片、破折に沿う限局性骨透過像などの所見が示されておらず、第一に考える原因ではありません。
  • c 隣在歯からの感染:隣在歯由来の根尖病変が原因歯へ連続する所見はなく、通常は隣接するだけで歯髄へ感染しません。
  • d 深い歯周ポケットからの感染:口蓋側の8〜10mmポケットが根尖・側枝方向へ及び、歯髄へ逆行感染したと考えられます。

覚えるポイント

深いポケット+高度骨吸収+非う蝕歯の歯髄症状では、歯周組織から根尖孔・側枝を介する逆行性感染を考えます。

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