32PM017|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
次の文を読み、〔問題17 〕、〔問題18〕に答えよ。 被験者A、被験者B の2 名から刺激唾液10mL を採取し、0.1 N の乳酸を滴定して唾液pHが7.0から6.0に変化するのに使用した乳酸量を測定した。 その結果、乳酸量は被験者A は0.3mL、被験者B は0. 7mL であった。 〔問題17 〕 使用した乳酸量に違いが生じた要因はどれか。1 つ選べ。
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正解: a
正答
a:緩衝作用
この問題のポイント
同量の唾液をpH7.0から6.0へ下げるのに必要な乳酸量が多いほど、酸を中和してpH低下へ抵抗する緩衝能が高い。BはAより強い緩衝作用を示す。
解説
唾液の緩衝能は、口腔細菌が糖から産生した酸を中和し、歯面pHを回復させる重要な防御機能である。本実験では刺激唾液10mLという条件をそろえ、一定のpH変化を起こすまで酸を滴定している。Bは0.7mLの乳酸を加えないとpH6.0にならず、0.3mLで到達したAより酸への抵抗が強い。唾液流量が増す刺激唾液では重炭酸濃度も上がり、緩衝能が高くなる。
選択肢の確認
- a 緩衝作用:添加酸を中和してpH変化を小さくする能力を、一定pHまでの滴定酸量で比較する実験である。
- b 抗菌作用:細菌の増殖や付着を抑える機能で、一定時間内の生菌数などを測るものであり酸滴定量では直接評価しない。
- c 潤滑作用:粘膜摩擦を減らし食塊形成・発音を助ける作用で、主にムチンなどの粘性成分が担う。
- d 歯質保護作用:ペリクル形成やCa・リンによる再石灰化を含む広い概念で、pH滴定差を直接名付けたものではない。
覚えるポイント
同じpH低下まで多くの酸が必要=緩衝能が高い。刺激唾液では流量と重炭酸塩濃度が増え、酸中和能力が高まる。