32PM018|第32回 歯科衛生士国家試験 過去問
次の文を読み、〔問題17 〕、〔問題18〕に答えよ。 被験者A、被験者B の2 名から刺激唾液10mL を採取し、0.1 N の乳酸を滴定して唾液pHが7.0から6.0に変化するのに使用した乳酸量を測定した。 その結果、乳酸量は被験者A は0.3mL、被験者B は0. 7mL であった。 〔問題18 〕 使用した乳酸量の違いに作用した唾液成分はどれか。1 つ選べ。
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正解: b
正答
b:重炭酸塩
この問題のポイント
刺激唾液の主要な緩衝系は重炭酸塩である。H+を受け取り炭酸となり、最終的に水と二酸化炭素へ変わって酸を中和する。
解説
唾液中のHCO3−はH+と反応してH2CO3となり、炭酸脱水酵素の関与でCO2とH2Oへ変換される。刺激時には唾液腺導管からの重炭酸分泌が増えるため、安静時よりpHと緩衝能が高い。被験者BはAより多い乳酸を加えて初めてpH6.0へ達したので、重炭酸塩などによる中和能力がより大きかったと考える。リン酸系やタンパク質も緩衝に寄与するが、選択肢では重炭酸塩が該当する。
選択肢の確認
- a ムチン:高分子糖タンパクとして粘膜を潤滑・保護し、食塊形成を助けるが、刺激唾液の主要酸中和物質ではない。
- b 重炭酸塩:刺激唾液で濃度が高まり、H+を炭酸系へ取り込んでpH低下を抑える主要緩衝成分である。
- c 糖タンパク質:獲得被膜や凝集、潤滑に関与する多様な成分群で、乳酸滴定差の中心となる緩衝イオンではない。
- d ラクトフェリン:鉄を結合して細菌の利用可能な鉄を減らし、静菌作用を示す抗菌タンパク質である。
覚えるポイント
刺激唾液の緩衝主役はHCO3−、安静時はリン酸系の寄与も相対的に大きい。ムチンは潤滑、ラクトフェリンは抗菌と整理する。