Y2023M10E2Q14|第2023年10月公表(第二種) 第一種・第二種衛生管理者免許試験 過去問
健康診断における検査項目に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、健康診断の各検査項目が、何を測り、どのような状態の把握に用いられるかを区別します。
ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、血液中のヘモグロビンの「数」ではなく、ヘモグロビンのうちブドウ糖が結合したものの割合を示し、過去1〜2か月程度の平均的な血糖状態を反映します。
解説
HbA1cは糖化ヘモグロビンの割合を示す指標で、糖尿病のスクリーニングや血糖コントロール状態の評価に用いられます。貧血の有無を調べる代表的な検査は、血色素量や赤血球数などです。したがって、HbA1cを「血液1µL中に含まれるヘモグロビンの数」とし、貧血の検査に利用するとする3は誤りです。
HDLコレステロールは、一般に善玉コレステロールと呼ばれ、低値は動脈硬化性疾患の危険因子です。γ-GTPは肝・胆道系の状態や飲酒の影響を把握する指標で、アルコール性肝障害などで高値を示すことがあります。
尿素窒素(BUN)は蛋白質代謝で生じた老廃物に由来し、腎機能が低下すると血中濃度が上昇することがあります。中性脂肪は食事の影響を受けやすく、空腹時にも高値が持続する状態は動脈硬化の危険因子となります。
ひっかけポイント
「血液1µL中の数」という表現は、赤血球数などに用いられる考え方です。HbA1cは糖化したヘモグロビンの割合であり、単位は%です。
衛生管理者としての実務ポイント
健康診断結果は一つの数値だけで断定せず、経年変化や他の検査値も含めて確認します。有所見者には医師の意見を踏まえた受診勧奨や就業上の措置を行い、健康情報は適切に管理します。
選択肢の確認
1.HDLコレステロールは、善玉コレステロールとも呼ばれ、低値であることは動脈硬化の危険因子となる。
記述としては正しい。
HDLコレステロールは末梢組織の余分なコレステロールを回収する働きがあり、低HDLコレステロール血症は動脈硬化性疾患の危険因子です。
2.γ-GTP は、正常な肝細胞に含まれている酵素で、肝細胞が障害を受けると血液中に流れ出し、特にアルコールの摂取で高値を示す特徴がある。
記述としては正しい。
γ-GTPは肝・胆道系の障害などで血中濃度が上昇し、飲酒量が多い場合にも高値を示しやすい検査項目です。
3.ヘモグロビン A1c は、血液1µL中に含まれるヘモグロビンの数を表す値であり、貧血の有無を調べるために利用される。
正答。記述としては誤り。
HbA1cは、ヘモグロビンのうちブドウ糖が結合したものの割合を示し、過去1〜2か月程度の平均的な血糖状態を反映します。ヘモグロビンの数を示す値でも、貧血の有無を調べるための代表的な指標でもありません。
4.尿素窒素(BUN)は、腎臓から排泄される老廃物の一種で、腎臓の働きが低下すると尿中に排泄されず、血液中の値が高くなる。
記述としては正しい。
BUNは腎機能をみる指標の一つであり、腎臓からの排泄が低下すると血中の値が高くなることがあります。なお、食事、脱水、消化管出血などの影響も受けます。
5.血清トリグリセライド(中性脂肪)は、食後に値が上昇する脂質で、内臓脂肪が蓄積している者において、空腹時にも高値が持続することは動脈硬化の危険因子となる。
記述としては正しい。
中性脂肪は食後に上昇しやすい脂質です。空腹時にも高値が持続する高トリグリセライド血症は、動脈硬化性疾患の危険因子となります。
この問題では「誤っているもの」を選ぶため、3が正答です。
覚えるポイント
- HbA1cは糖化ヘモグロビンの割合で、過去1〜2か月程度の平均的な血糖状態を反映する。
- 貧血の把握には、血色素量や赤血球数などを用いる。
- 低HDLコレステロールと高トリグリセライドは、動脈硬化の危険因子である。
- γ-GTPは肝・胆道系や飲酒の影響をみる指標である。
- BUNは腎機能の指標の一つだが、食事や脱水などの影響も受ける。