33PM122第33回 柔道整復師国家試験 過去問

柔道整復理論・外傷学軟部組織損傷肉離れ・アキレス腱

19歳の男性。大学で野球部に所属している。入部後練習量が増え、ランニング後にアキレス腱部の痛みが生じるようになったため来所した。長軸超音波画像を別に示す。正しい画像所見はどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、練習量増加後に生じたアキレス腱部痛と、長軸超音波画像からアキレス腱障害の画像所見を判断します。

画像では、左が患側、右が健側です。患側では健側と比べて、アキレス腱が全体に厚くみえ、腱の輪郭もやや膨隆しています。

したがって、正しい画像所見は腱の肥厚です。

解説

アキレス腱は、腓腹筋とヒラメ筋からなる下腿三頭筋が踵骨へ移行する強い腱です。ランニング、ジャンプ、ダッシュの反復では、アキレス腱に牽引力と伸張ストレスが繰り返し加わります。

この症例では、大学野球部に入部後、練習量が増え、ランニング後にアキレス腱部痛が出ています。急な練習量増加を背景としたアキレス腱症アキレス腱炎を考える流れです。

超音波の長軸像では、アキレス腱の次の点を確認します。

  • 腱の厚さ
  • 腱線維の連続性
  • 腱内の低エコー域
  • 腱周囲の炎症所見
  • 健側との差

今回の画像では、患側のアキレス腱が健側より厚く、慢性的な反復負荷による腱の肥厚が示唆されます。一方、腱の明らかな断裂や血腫を示す所見、骨棘や異所性骨化を示す強い高エコー像は中心所見ではありません。

図で見るポイント
患側と健側を並べて比較します。患側でアキレス腱が太くなっているか、腱線維が連続しているか、腱内に血腫や断裂像がないかを順に確認します。

スポーツ外傷での注意点
ランニング量の急増はアキレス腱障害の大きな危険因子です。疼痛が続く場合は、練習量、下腿三頭筋の柔軟性、足部アライメント、靴、路面環境を確認します。

選択肢の確認

1.骨棘がみられる。
誤り。
骨棘は骨付着部の変性でみられる骨性の突出です。超音波では高エコーの骨性突出や音響陰影を伴うことがあります。この画像で中心的に読み取る所見は、骨棘ではなくアキレス腱の肥厚です。

2.腱の肥厚がみられる。
正しい。
患側のアキレス腱は健側と比べて厚くみえます。練習量増加後のランニング時痛という経過からも、反復負荷によるアキレス腱症やアキレス腱炎に伴う腱の肥厚が考えられます。

3.異所性骨化がみられる。
誤り。
異所性骨化は、本来骨がない軟部組織内に骨化が生じる所見です。超音波では高エコー像や音響陰影を伴うことがあります。この画像では、異所性骨化よりも腱の肥厚が重要です。

4.腱内に血腫がみられる。
誤り。
腱内血腫は、急性の強い外傷や腱断裂に伴ってみられることがあります。この症例は練習量増加に伴って徐々に疼痛が出現した慢性的な経過であり、画像でも血腫より腱の肥厚を考えます。

覚えるポイント

  • ランニング量増加後のアキレス腱部痛ではアキレス腱症アキレス腱炎を考えます。
  • 超音波では、患側と健側を比較して腱の厚さを確認します。
  • 慢性的なアキレス腱障害では腱の肥厚が重要な画像所見です。
  • 急性断裂では腱の連続性断裂、陥凹、血腫を確認します。
  • 骨棘や異所性骨化は高エコーの骨性変化として確認しますが、この問題の主所見ではありません。
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