112C25|第112回 医師国家試験 過去問
32歳の女性。痒みを伴う皮疹を主訴に来院した。昨日夕食後に皮疹が背部に出現し、消退した後に下肢に同様の皮疹が出現した。下肢の写真を別に示す。 この皮疹の種類はどれか。

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正解: e
正答
e 膨 疹
この問題のポイント
痒みを伴う浮腫性の隆起が短時間で消え、別の場所に出る経過は膨疹を示す。
解説
写真では下肢に淡紅色の盛り上がりが多数あり、融合して地図状・環状に広がっている。液体を含む小水疱ではなく、真皮の一過性の浮腫による隆起である。昨日の背部の皮疹が消えた後、下肢に同様の皮疹が出現したという時間的な変化と瘙痒を合わせると、蕁麻疹にみられる膨疹と判断する。
膨疹はヒスタミンなどによって血管透過性が高まり、真皮に水分が漏れ出すことで生じる。通常、個々の皮疹は24時間以内に跡を残さず消退する。単なる赤みは紅斑、持続する小さな充実性隆起は丘疹と呼び、病変の構造と持続時間が異なる。夕食後という情報だけで特定食品へのアレルギーと断定することはできず、原因の検討と皮疹の種類の同定を分ける。
選択肢の確認
a 丘 疹
誤り。丘疹は小さな充実性の隆起で、膨疹のように数時間で消退して場所を変える浮腫性病変とは異なる。
b 局 面
誤り。局面は比較的広く平坦に盛り上がった病変を表すが、本例の一過性の浮腫性隆起を具体的に表す名称は膨疹である。
c 紅 斑
誤り。紅斑は血管拡張などによる赤い色調変化で、原則としてそれ自体は平坦である。本例には明らかな浮腫性の隆起がある。
d 水 疱
誤り。水疱は内部に液体をためた腔を持つ皮疹である。写真には水疱蓋や透見できる液体貯留を認めない。
e 膨 疹
正しい。瘙痒を伴う淡紅色の浮腫性隆起で、短時間で消退・出現する経過は膨疹に一致する。
覚えるポイント
膨疹は一過性の真皮浮腫。痒い盛り上がりが24時間以内に消える経過は蕁麻疹を示唆する。
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