113C14|第113回 医師国家試験 過去問

基礎・検査・法医学放射線科

中咽頭癌に対する放射線治療の有害事象で、最も早期に出現するのはどれか。

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正解: a

正答

a 粘膜炎

この問題のポイント

放射線の早期有害事象は、増殖・更新の速い組織に生じやすい。咽頭粘膜炎と、遅れて出る障害を区別する。

解説

放射線は腫瘍細胞だけでなく照射範囲内の正常細胞にも影響する。粘膜上皮は細胞の入れ替わりが速く、基底細胞の増殖が抑えられると上皮の補充が追いつかず、比較的早期に発赤、びらん、潰瘍を生じる。中咽頭癌の照射では口腔・咽頭粘膜炎が早期有害事象として重要で、疼痛、嚥下痛、摂食低下につながる。

白内障や放射線誘発癌は通常より長い潜伏期間を伴う。放射線肺炎は肺が照射された場合に問題となり、中咽頭への局所照射で最初に予想する障害ではない。本問の正答は粘膜炎である。ただし、唾液腺機能低下も照射開始後早期から起こり、必ず粘膜炎より遅いとはいえない。代表的急性反応という出題上の整理と、実際の発症順序を区別する。

選択肢の確認

a 粘膜炎
正しい。更新の速い口腔・咽頭粘膜の障害は照射中の早期から現れ、疼痛や嚥下困難の原因となる。

b 白内障
誤り。水晶体の障害であり、通常は長い時間を経て発症する。中咽頭照射直後の代表的障害ではない。

c 唾液腺障害
本問では選ばない。ただし、唾液量の低下は早期にも起こり、粘膜炎に先行する場合もある。照射範囲や線量で経過が異なるため、常に遅れて出る障害とは理解しない。

d 放射線肺炎
誤り。肺への照射に伴い、一般に治療中から治療後数か月の経過で生じる。照射部位と発症時期の両方が本問に合わない。

e 放射線誘発癌
誤り。放射線による発癌は長期的な確率的影響であり、通常は年単位以上の時間を要する。

覚えるポイント

  • 早期反応:粘膜・皮膚・骨髄など更新の速い組織。
  • 有害事象は時期に加え、照射範囲と線量から考える。

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