113D11|第113回 医師国家試験 過去問
多発性硬化症との鑑別上、視神経脊髄炎を疑うべき所見はどれか。
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正解: c
正答
c 脳脊髄液の細胞数増多
この問題のポイント
視神経脊髄炎と多発性硬化症は、ともに視神経炎や脊髄炎を来す。両者に共通する症状ではなく、髄液炎症の程度など鑑別に役立つ特徴を選ぶ。
解説
視神経脊髄炎スペクトラム障害〈NMOSD〉では、抗アクアポリン4抗体に関連するアストロサイト障害が代表的で、重い視神経炎や長い脊髄病変を生じる。急性期に髄液細胞が比較的多くなり、好中球・好酸球を含むこともある。多発性硬化症〈MS〉の髄液細胞増多は通常軽度で、50/μLを超える増多はNMOSDなどを再検討する手掛かりになる。
ただし、細胞数増多だけで診断は確定しない。抗AQP4抗体、病変の分布、髄液オリゴクローナルバンドなどを統合する。抗核抗体はNMOSDで陽性のこともあるが、一般集団や他疾患でも認める非特異的所見である。
選択肢の確認
a 視力の低下
誤り。視神経炎による視力低下はNMOSDにもMSにも起こる。重症度や両側性は参考になるが、この記載だけでは区別できない。
b 血清の抗核抗体陽性
誤り。全身性自己免疫疾患の合併を示す場合はあるが、抗核抗体陽性だけではNMOSDに特徴的とはいえない。疾患により特異的なのは抗AQP4抗体である。
c 脳脊髄液の細胞数増多
正しい。特に高度の細胞増多や顆粒球の出現は、一般的なMSの髄液像よりNMOSDを疑う所見である。軽い増多だけなら両疾患で起こり得る。
d 末梢神経伝導速度の低下
誤り。末梢神経伝導速度は末梢神経障害の評価であり、中枢神経の炎症性疾患である両者を分ける代表所見ではない。
e 頭部MRIの側脳室周囲病変
誤り。側脳室周囲の卵円形病変、特に脳室に垂直に並ぶ病変はMSを支持する。NMOSDにも脳病変はあるが、この記載はMS寄りである。
覚えるポイント
視神経炎は両者に共通する。NMOSDを示唆するのは抗AQP4抗体、長大な脊髄病変、重い視神経炎、MSとしては強い髄液炎症である。
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