113D28|第113回 医師国家試験 過去問
72歳の女性。2か月前から便に血液が付着し、便秘傾向になったため来院した。腹部は平坦、軟で、腫瘤を触知しない。下部消化管内視鏡像及びCTコロノグラムを別に示す。胸腹部造影CTで他臓器やリンパ節への転移を認めない。 術式として適切なのはどれか。

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正解: a
正答
a S状結腸切除術
この問題のポイント
内視鏡で狭窄を伴う進行大腸癌を疑い、CTコロノグラムで病変がS状結腸にあることを同定する。術式は病変の部位に対応させる。
解説
内視鏡写真では発赤・出血を伴う不整な隆起が内腔を取り囲み、管腔を狭めている。CTコロノグラムでは、下行結腸から直腸へ続くS状結腸部分に、急な全周性狭窄と途絶様の所見がある。血便と便秘傾向を合わせ、S状結腸の進行癌と考える。
遠隔転移がなく切除可能であるため、病変を含むS状結腸を領域リンパ節とともに切除し、可能なら腸管吻合を行う。画像でリンパ節転移を認めなくても微小転移は否定できず、癌の深達度等に応じた郭清が必要である。大腸の一か所に癌があることだけで全大腸や肛門を切除する必要はない。病理診断・病期評価と全身状態を確認して手術を計画する。
選択肢の確認
a S状結腸切除術
正しい。CTコロノグラムで病変がS状結腸に位置する。原発巣とその所属リンパ節を含む適切な範囲を切除する。
b 横行結腸切除術
誤り。横行結腸は上腹部を横走する部分で、本画像の下方のS状結腸狭窄とは位置が異なる。ここを切除しても原発巣を除去できない。
c 右半結腸切除術
誤り。盲腸・上行結腸側の病変に対応する術式であり、S状結腸病変の切除には適さない。
d 大腸全摘術
誤り。多発病変や特定の遺伝性疾患、広範な炎症性疾患などがない限り、限局したS状結腸癌に大腸全摘を行う根拠はない。
e 直腸切断術
誤り。肛門温存ができない下部直腸癌などで検討する。病変はS状結腸であり、直腸・肛門の切断は不要である。
覚えるポイント
大腸癌の術式は「どの部位か」と「どこまで広がるか」で決める。転移陰性の画像でも、癌手術では適切なリンパ節郭清を考える。
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