115C73|第115回 医師国家試験 過去問
内科系循環器虚血性心疾患・ACS
冠動脈造影像を別に示す。血圧が低下したため,補助循環装置を挿入した。 このときの胸部透視時の写真(※は造影カテーテル、矢印は補助循環装置)を別に示す。 この患者について正しいのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る
正解: a・d
正解
a 冠動脈造影では冠動脈の中隔枝を介した側副血行が認められる。
d 留置している補助循環装置により冠動脈血流量の増加が期待される。
解説
胸部透視写真の補助循環装置は IABP、大動脈内バルーンパンピング です。
IABP は下行大動脈内に留置し、拡張期にバルーンを膨らませることで大動脈拡張期圧を上げ、冠灌流を改善します。
なぜ d が正しいか
IABP は
- 拡張期に膨張して冠灌流圧を上げる
- 収縮期直前にしぼむことで後負荷を下げる
という仕組みです。
そのため、冠動脈血流量の増加が期待される という記載は正しいです。
なぜ a が正しいか
冠動脈造影では、中隔枝を介した側副血行が描出されていると読みます。
慢性的閉塞や高度狭窄がある冠動脈領域へ、他の冠動脈から側副路で血流が供給されている像です。
各選択肢の検討
a 冠動脈造影では冠動脈の中隔枝を介した側副血行が認められる。
正しいです。
造影像の読影ポイントです。
b 冠動脈造影では右冠動脈の近位部に高度狭窄を認める。
誤りです。
造影所見はこの表現とは一致しません。
c 留置している補助循環装置により血液の酸素化が行える。
誤りです。
酸素化を行うのは ECMO などであり、IABP には酸素化機能はありません。
d 留置している補助循環装置により冠動脈血流量の増加が期待される。
正しいです。
IABP の代表的効果です。
e 留置している補助循環装置は大静脈内に留置されている。
誤りです。
IABP は大動脈内に留置します。
ひっかけポイント
この問題では、補助循環装置を ECMO と誤認しないことが大切です。
IABP は
- 酸素化はできない
- 大動脈に入れる
- 冠灌流を増やす
という3点で整理すると迷いにくくなります。
まとめ
この患者について正しいのは、中隔枝を介した側副血行があること と、IABPにより冠血流増加が期待できることです。
正解は a、d です。