116F67|第116回 医師国家試験 過去問
内科系循環器弁膜症・心雑音
弁膜症に対する緊急手術を行うことになった。手術までの治療で血行動態の改善が期待できるものはどれか。2つ選べ。
2つ選択
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正解: b・e
正解
- b 血管拡張薬投与
- e 大動脈内バルーンパンピング〈IABP〉挿入
解説
この症例は急性僧帽弁閉鎖不全症で、緊急手術までのあいだに血行動態を安定させる必要があります。
急性MRでは、左室収縮のたびに血液が左房へ逆流し、肺うっ血と前方拍出低下が急速に進みます。
そのため、手術までの橋渡しとして重要なのは、後負荷を下げて逆流量を減らすことです。
有効な治療
b 血管拡張薬投与
血管拡張薬で後負荷を下げると、左室から大動脈へ血液を出しやすくなり、左房への逆流量が減ります。
その結果、肺うっ血の改善と前方拍出の増加が期待できます。
e 大動脈内バルーンパンピング〈IABP〉挿入
IABP は収縮期の後負荷を軽減し、拡張期の冠灌流を補助します。
急性MRでは逆流軽減と循環維持に有用で、緊急手術までの補助として重要です。
各選択肢の検討
a β遮断薬投与
誤りです。陰性変力作用や徐脈化によって前方拍出を低下させ、急性期の血行動態を悪化させるおそれがあります。b 血管拡張薬投与
正しいです。後負荷軽減が急性MRの内科的安定化で重要です。c ジギタリス投与
誤りです。慢性心不全や心房細動のレートコントロールでは用いることがありますが、急性MRの初期安定化としては優先されません。d 体外式ペースメーカー留置
誤りです。徐脈性不整脈が問題になっている症例ではなく、適応がありません。e 大動脈内バルーンパンピング〈IABP〉挿入
正しいです。手術までの循環補助として有効です。
国試での判断軸
急性僧帽弁閉鎖不全症では、
- 後負荷を下げる
- 逆流量を減らす
- 手術までの橋渡しをする
という考え方が重要です。
覚えるポイント
- 急性MRの内科的安定化では、血管拡張薬とIABPが重要です。
- β遮断薬やジギタリスは、この場面の第一選択ではありません。
- 根本治療は手術であり、内科治療はあくまで橋渡しです。