117E44|第117回 医師国家試験 過去問
内科系内分泌・代謝糖尿病・低血糖
対応で正しいのはどれか。
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正解: e
正解
e 心身機能の評価をもとにした血糖コントロール目標の設定
この症例で大切な考え方
この患者は、長期間放置された糖尿病により
- 増殖糖尿病網膜症
- 硝子体出血
- 末梢神経障害
- 独居
といった背景を持っています。
糖尿病治療では、画一的に厳格管理を目指すのではなく、年齢、心身機能、生活背景、合併症、低血糖リスクをふまえて目標を個別化することが基本です。
なぜ e が正しいのか
高齢者糖尿病では、認知機能、ADL、サポート体制、低血糖の危険性を評価したうえで、血糖管理目標を設定します。
この症例でも、独居であること、すでに進行した合併症があることから、
心身機能の評価をもとにした個別化
が最も適切です。
他の選択肢が不適切な理由
a 蛋白制限食
明らかな糖尿病腎症や高度蛋白尿は示されておらず、現時点で一律に蛋白制限を行う根拠は乏しいです。
b 強度の高い運動療法
運動療法は重要ですが、増殖糖尿病網膜症がある患者に強い運動を行うと、硝子体出血を悪化させるおそれがあります。まず安全性を考慮した運動指導が必要です。
c 1日1,200kcalの食事療法
170 cm、72 kg の成人男性に対して一律に 1,200 kcal は過度に厳しい可能性が高く、個別性に欠けます。食事療法は生活背景もふまえて設計します。
d スルホニル尿素薬による厳格な血糖コントロール
SU薬は低血糖の危険があり、独居高齢者では特に注意が必要です。合併症がある患者に、いきなり厳格コントロールを強いるのは適切ではありません。
ひっかけポイント
この問題では「糖尿病だから厳格に下げる」と考えると誤ります。
国試では、特に高齢者や合併症を持つ患者では、厳格さより個別化がキーワードです。
さらに、この症例では網膜症が進行しているため、強度の高い運動療法を安易に選ばないことも重要です。
覚えるポイント
糖尿病治療の目標は、
患者ごとの心身機能、生活背景、合併症、低血糖リスクを見て決める
のが原則です。
したがって、正しい対応は e です。