119E28|第119回 医師国家試験 過去問
総合診療・救急・ケア救急・集中治療創傷処置・基本手技
80歳の男性。発熱、咳嗽および呼吸困難のため救急車で搬入された。既往歴に脳梗塞があり、右片麻痺と失語がある。体温38.6℃。心拍数108/分、不整。血圧142/100 mmHg。呼吸数24/分。SpO2 90%(鼻カニューラ2L/分 酸素投与下)。右背側にcoarse cracklesを聴取する。検査の結果、肺炎と診断され、抗菌薬投与のため末梢静脈路確保を行うこととした。 この患者の末梢静脈路確保に適切な静脈はどれか。2つ選べ。
2つ選択
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正解: a・c
正解
a 左肘正中皮静脈
c 左橈側皮静脈
解説
末梢静脈路確保では、通常は上肢の表在静脈を選びます。
この症例では右片麻痺があるため、原則として麻痺側の右上肢は避け、健側の左上肢で確保するのが適切です。
なぜ麻痺側を避けるか
麻痺側では、
- 漏れや腫脹に気付きにくい。
- 自動運動が乏しく、うっ滞やトラブルが起こりやすい。
- 皮膚障害や感染の発見が遅れることがある。
このため、点滴確保はできるだけ健側に行います。
各選択肢の整理
a 左肘正中皮静脈
適切です。上肢の表在静脈であり、健側です。b 右肘正中皮静脈
不適切です。麻痺側であり、原則避けます。c 左橈側皮静脈
適切です。健側の上肢表在静脈で、末梢静脈路確保に適しています。d 右橈側皮静脈
不適切です。麻痺側なので避けます。e 右大伏在静脈
不適切です。下肢静脈は、上肢で確保できる場合の第一選択ではありません。感染や血栓の観点からも通常は上肢を優先します。
ひっかけポイント
この問題は、どの静脈が刺しやすいかだけでなく、どちらの側を選ぶべきかを問っています。
脳梗塞後の片麻痺側は避けるという基本を押さえていれば、左上肢の2つを選べます。