26AM80|第26回 精神保健福祉士国家試験 過去問
事例を読んで、Dさんについての後見開始の審判をEさんが申し立てた主な理由として、最も適切なものを1つ選びなさい。 〔事 例〕 Dさん(80歳)は、子のEさんが所有する建物に居住していたが、認知症のため、現在は指定介護老人福祉施設に入所している。Dさんの年金だけでは施設利用料の支払いが不足するので、不足分はEさんの預金口座から引き落とされている。施設で安定した生活を営んでいるものの医師からは白内障の手術を勧められている。近時、Dさんの弟であるFさんが多額の財産を遺して亡くなり、Dさんは、Dさんの他の兄弟とともにFさんの財産を相続することとなった。Eさんは、家庭裁判所に対しDさんについて後見を開始する旨の審判を申し立てた。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
成年後見人は本人の財産に関する法律行為を代理します。認知症で遺産分割協議が困難なDさんには、協議へ適法に参加する代理人が必要です。
解説
遺産分割協議は相続財産の帰属を決める重要な法律行為で、相続人全員の合意が必要です。認知症により事理弁識能力を欠く常況のDさんが協議を有効に行えないなら、後見開始後、成年後見人がDさんの利益を守って代理します。なお、後見人自身も共同相続人で利益相反する場合は特別代理人の選任が必要ですが、本件の申立人EさんはFさんの共同相続人とは示されていません。成年後見人に医療行為への一般的同意権はありません。施設契約の解約は現状安定という事例目的に反します。E所有建物の処分やE自身の預金払戻しはDさんの財産行為でなく、Dさんの後見を開始する理由にはなりません。
選択肢の確認
1.Dさんの手術についての同意
誤り。成年後見人には白内障手術など医療行為への一般的な同意権はなく、医療同意だけを目的に後見を開始するものではありません。
2.Dさんが入所する指定介護老人福祉施設との入所契約の解約
誤り。施設で安定生活を営んでおり解約の必要性は示されていません。後見人は本人の利益に沿って契約管理を行います。
3.Dさんが参加するFさんについての遺産分割協議
正答。最も適切です。Dさんは相続人として協議参加が必要で、判断能力を欠く場合は後見人が本人の財産的利益を守って代理します。
4.Dさんが入所前に居住していたEさん所有の建物の売却
誤り。建物の所有者はEさんであり、Dさんの成年後見人はEさん所有財産を代理して売却する権限を持ちません。
5.Dさんの利用料不足分を支払っているEさんの預金の払戻し
誤り。預金口座の名義人はEさんであり、Eさん自身が管理できるため、Dさんについての後見開始を必要とする行為ではありません。
覚えるポイント
成年後見の中心は本人の財産管理・法律行為の代理。遺産分割は対象ですが、医療同意権や他人名義財産の処分権はありません。