27AM79|第27回 精神保健福祉士国家試験 過去問
ブース(Booth, C.)のロンドン調査に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
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正解: 5
正答
5
この問題のポイント
ブースのロンドン調査は、生活・労働・貧困の実態を大規模に調べ、通りごとの住民の所得・社会階層を色分けした貧困地図を作成した先駆的な社会調査です。
解説
チャールズ・ブースは1886年から1903年にかけて、ロンドンの生活と労働を対象とする大規模な実証調査を組織しました。調査資料には、学校委員会訪問員から得た世帯・職業・貧困情報、調査員が警察官の巡回に同行して記録した通りの状況、労働者・雇用主・労働組合等への聞き取りが含まれます。成果の一つである貧困地図では、各通りを住民の所得と社会階層に応じた複数の色で示したため5が最も適切です。目的は単なる人口統計作成ではなく、生活、労働、貧困と富の実態把握でした。自宅に一斉配布する郵送調査でも、ロンドン市民の一部だけを抽出する通常の標本調査でもありません。また、調査は貧困を個人的習慣だけに帰さず、賃金、雇用、住宅、年齢等の社会経済的条件を可視化しました。
選択肢の確認
- 1.ロンドン市民の人口統計の作成が目的だった。:適切ではありません。人口数の作成だけでなく、貧困、仕事、賃金、生活条件、宗教・社会的影響を実証的に把握する調査でした。
- 2.調査対象となった市民の自宅へ調査票を配布する郵送調査だった。:適切ではありません。学校委員会訪問員への聞き取り、警察官との街路踏査、職場・家庭での面接等を組み合わせました。
- 3.当時のロンドン市民の一部を調査対象とする標本調査だった。:適切ではありません。抽出標本への質問紙調査ではなく、ロンドン全域の通りと労働・生活を包括的に分類する大規模調査でした。
- 4.貧困の主たる原因が、個人的習慣であることを明らかにした。:適切ではありません。個人の習慣だけで説明せず、賃金、雇用機会、労働条件、住宅、老齢等の社会経済的要因を調べました。
- 5.ロンドンの街を経済階層で色分けした貧困地図を作成した。:正答であり最も適切です。各通りを所得・社会階層による色で示し、貧困と富の空間的分布を可視化しました。
覚えるポイント
ブース=ロンドンの『民衆の生活と労働』、学校訪問員・街路踏査等を用いた大規模調査、通りを経済階層別に色分けした貧困地図、と覚えます。