60AM004第60回 作業療法士国家試験 過去問

54 歳の女性。手内筋が萎縮し、環指と小指はMP 関節が過伸展し、PIP 関節・ DIP 関節が屈曲している。また、環指と小指のしびれの訴えがある。薬物療法と装 具療法が開始された。 この患者が使用する装具で適切なのはどれか。

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正解: 2

正答

2.ナックルベンダー

この問題のポイント

手の変形パターンから末梢神経麻痺の診断を導き、その病態に適した装具の選択が求められる。特に「環指・小指のMP過伸展+PIP・DIP屈曲」という変形は、**クロー変形(鷲手変形)**と一致し、尺骨神経麻痺の典型的な所見である。この変形では、MP関節の過伸展を防ぐことが重要であり、そのために装具の使用が不可欠となる。

解説

54歳の女性で、環指と小指のMP関節が過伸展、PIP・DIP関節が屈曲していることから、クロー変形が診断される。これは尺骨神経が支配する領域(特に環指・小指)に障害が生じていることの証拠であり、その結果、手内筋の萎縮としびれの訴えが現れる。この変形は、尺骨神経が過度に伸展した状態で圧迫され、神経の機能が損なわれるため、MP関節を屈曲位に保つことで、神経の保護と機能回復を支援する必要がある。その目的で使用されるのがナックルベンダーである。この装具は、MP関節を適切な屈曲位に保ち、過伸展を防ぎ、変形の矯正に貢献する。

選択肢の確認

1.短対立装具:正中神経麻痺(猿手)に用いられるが、本問の変形は尺骨神経障害。不適切。
2.ナックルベンダー:MP過伸展を防ぎ、屈曲位を維持。正解
3.バデイスプリント:隣指を固定するもので、骨折や靭帯損傷に用いられる。変形矯正には不適。
4.逆ナックルベンダー:MPを伸展方向に矯正するため、過伸展を悪化させる。禁忌。
5.コックアップ・スプリント:手関節の背屈保持に用い、橈骨神経麻痺(下垂手)に適応。本問には不適用。

覚えるポイント

鷲手=ナックルベンダー」は作業療法士国家試験で必ず覚えるべき対応。末梢神経麻痺の変形と装具の対応を、神経名・変形名・装具名で暗記することで、迅速に判断できる。

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