60PM042|第60回 作業療法士国家試験 過去問
解離症〈解離性障害〉に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。
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正解: 2
正答
2.無意識の葛藤が発散できる活動を行う。
この問題のポイント
解離性障害は、心的ストレスによって無意識に抑圧された感情や葛藤が、記憶や同一性として切り離される状態です。作業療法では、その抑圧された感情を安全に表現・発散できる環境を提供することが治療的価値を持ちます。対応の核心は「感情の安全な表出」であり、治療的介入としての作業活動の設計が求められます。
解説
解離性障害の患者は、無意識に抱えているストレスや葛藤(たとえば、過去のトラウマ、人間関係の不安など)を意識的に扱うことができないため、その感情を「安全な場」で表現できる活動を提供することが重要です。作業療法では、そのような活動(例:自由な表現活動、創造的作業、感情的対話の場)を通じて、無意識の葛藤を発散させ、自己理解を深める支援が行われます。このアプローチは、患者の内面的な防衛機構を「安全に解体・再構築」するための治療的根拠を持ちます。
一方、他の選択肢は治療的原則に反します。患者の希望に沿う(1)は、治療的意図を欠き、感情の発散を阻める可能性があります。作業療法士が代行する(3)は、自己効力感の損失や依存を促進します。健忘が生じた場合に中止(4)は、症状の一部としての健忘を過剰に解釈し、治療の継続を損ないます。時間外での活動継続(5)は、治療の枠組み(時間・場)を崩し、安全な治療環境を損なうリスクがあります。
選択肢の確認
1.患者の希望通りに作業活動を行う。:治療的意図なしに希望を優先することは、感情の発散を阻害する。
2.無意識の葛藤が発散できる活動を行う。:脳内に抑圧された感情を安全に表現できる活動が適切。
3.うまくできない部分は作業療法士が行う。:代行は自己成長を阻害し、治療的効果を損なう。
4.健忘が生じた場合には作業療法を中止する。:健忘は症状の一部であり、中止ではなく継続的支援が必要。
5.作業療法の時間外でも個別に活動を継続する。:時間枠を守ることで治療の安定性と安全性を確保する。
覚えるポイント
「無意識の葛藤を安全に発散できる活動」を提供することは、解離性障害に対する作業療法の基本。治療は「感情の表出」を支援し、患者の内面的な防衛機構を段階的に調整していくプロセスです。