61PM042|第61回 作業療法士国家試験 過去問
ボーダーラインパーソナリティ症〈境界性パーソナリティ障害〉患者のリスク管理 で、優先して収集すべき情報はどれか。
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正解: 5
正答
5.行動化の履歴
この問題のポイント
境界性パーソナリティ障害(BPD)のリスク管理では、患者の「現在の安全」を確保するため、最も即座に評価すべき情報は「過去の行動化の履歴」である。自傷、自殺企図、衝動的行動(例:物を破壊、突然関係を断つ)の経験は、未来のリスクを予測する最も信頼できる指標となる。
解説
BPDの特徴は、感情の急変とそれに伴う衝動的行動(行動化)である。この行動は、一時的な感情の波動に左右されやすく、自傷や自殺のリスクを高める。そのため、リスク管理の最初段階では、患者が過去にどのような行動を取ったか(例:自傷の経験、暴力的反応、突然の離別)を正確に把握することが不可欠である。この情報は、現在の状況を評価し、緊急対応や安全環境の設計に直結する。他の情報(ADL、作業遂行、対人関係)は治療の過程で重要だが、安全上の緊急性を優先する必要がある。
選択肢の確認
1.ADL:生活行動の自立度は評価に値するが、安全リスクの直接的指標ではない。
2.作業遂行:作業の能力は治療の観点で重要だが、行動化リスクの確認よりも遅れることになる。
3.対人関係:不安定な関係パターンは治療対象だが、即座の安全リスクには直接結びつかない。
4.主訴の背景:患者が訴える内容は理解に貢献するが、行動の「過去の実績」がより予測的である。
5.行動化の履歴:自傷・自殺企図・衝動行動の経験は、現在のリスクを最も正確に予測できる情報であり、優先して収集すべきである。
覚えるポイント
BPDでは「過去の行動が、未来の行動を最もよく予測する」という臨床原則がある。安全を確保するためには、まず「行動化の履歴」を確認し、その上で他の評価(ADL、対人関係など)を進めるべきである。