61PM044第61回 作業療法士国家試験 過去問

せん妄と認知症を見分ける最も有効な所見はどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正答

4.意識障害

この問題のポイント

せん妄と認知症の鑑別において、最も重要な臨床的所見は「意識障害の有無」である。この点は、両者の発症経過や症状の性質を理解する上で根本的な判断基準となる。

解説

せん妄は急性または亜急性に発症し、意識障害(特に清明度の低下や日内変動)を本質的な特徴とする。患者は時間の認識が乱れ、目覚めのタイミングや場所の認識が曖昧になることが多い。一方、認知症(特にアルツハイマー型など)は慢性に進行し、初期〜中期では意識障害は認められない。発症が緩慢で、認知の低下が主な症状となる。そのため、意識の清明さを確認することは、両者の区別に最も有効である。

作業療法士が患者の生活行動やADL(日常生活能力)を評価する際、意識の状態は「患者が環境に適応できるか」「自覚的な行動が可能か」という観点で極めて重要である。意識障害がある場合、患者の認知・行動の評価は極めて困難になり、介入の方向性にも影響を与える。

選択肢の確認

1.幻 覚:せん妄や認知症、統合失調症などで共通に見られるため、鑑別に特異的でない。
2.不 安:両疾患ともに出現しやすく、診断の根拠にはなりにくい。
3.易怒性:認知症やせん妄の共通症状であり、診断の判断基準にはならない。
4.意識障害:せん妄の本質的特徴であり、認知症では初期には認められない。最も有効な鑑別所見
5.見当識障害:両疾患で頻度が高く、診断の「決め手」とはならない。

覚えるポイント

意識が清明か?」が問われれば、意識障害がある → せん妄ない → 認知症と判断する。この1問で「意識の有無」が最も重要な臨床的指標であることを押さえてほしい。

61PM04361PM045
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)