110Q214第110回 薬剤師国家試験 過去問

52 歳男性。身長167 cm、体重56 kg。最近、右首のくぼみあたりに腫れや しこりがあり、近医を受診した。医師の診察により、頸部リンパ節腫大を認めたた め、医師は精査目的で地域医療支援病院の血液内科を紹介した。病変部位の生検の 結果、ホジキンリンパ腫と診断された。3 日後からABVD 療法を開始する予定で ある。 (ABVD 療法) 投与 投与 投与量 時間 スケジュール (処方1 )ドキソルビシン塩酸塩注射用 25 mg/m 2/day 30 分 day 1,15 (処方2 )ブレオマイシン塩酸塩注射用 10 mg/m 2/day 30 分 day 1,15 (処方3 )ビンブラスチン硫酸塩注射用 6 mg/m 2/day 15 分 day 1,15 (処方4 )ダカルバジン注射用 375 mg/m 2/day 60 分 day 1,15 1 コースは28 日間で、4 コースを実施する。なお、4 コース実施後にISRT (病巣部放射線照射療法)を施行予定 病棟カンファレンスに参加する際、この治療に関して担当薬剤師が留意する情報 として、適切なのはどれか。2つ選べ。

2つ選択
解答・解説を見る

正解: 2・4

正答

2・4

この問題のポイント

ABVD療法では、ブレオマイシンの肺障害と、ダカルバジンの光分解・血管痛対策が重要です。

解説

ブレオマイシンでは累積投与量の増加とともに間質性肺炎・肺線維症のリスクが高まるため、咳、息切れ、画像・肺機能の変化を監視します。ダカルバジンは光に不安定で、光分解物が血管痛に関与するため、調製後は点滴容器だけでなく投与経路全体を遮光します。ドキソルビシンは生理食塩液で希釈可能であり、塩化物イオンを理由に避ける薬ではありません。ビンブラスチンは血管外漏出で組織障害を生じる壊死性抗がん薬で、漏出時は直ちに投与を止めて対処します。ABVDは軽度催吐性として頓用ドンペリドンだけで済ませず、適切な制吐予防を計画します。

選択肢の確認

1.処方1 の薬剤は過剰な塩化物イオンにより分解するため、生理食塩液との混和 を避けること。:ドキソルビシンは生理食塩液で希釈可能です。
2.処方2 の薬剤の累積投与量の増加に伴い、肺機能の低下に注意すること。:正答。ブレオマイシン肺障害に注意します。
3.処方3 の薬剤は非壊死起因性抗がん剤であるため、薬液が血管外へ漏出しても 投与を継続すること。:ビンブラスチンは壊死性で、漏出時は中止します。
4.処方4 の薬剤は光に不安定であり、光分解によって血管痛の原因となる物質が 生じるため、点滴容器及び経路全体を遮光して投与すること。:正答です。
5.ABVD 療法の催吐性リスクは軽度のため、ドンペリドンの嘔気時服用で対処 すること。:予防的な制吐療法が必要です。

覚えるポイント

B=ブレオマイシン肺障害、D=ダカルバジン遮光、V=ビンブラスチン漏出時中止です。

110Q213110Q215
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)