110Q216|第110回 薬剤師国家試験 過去問
保険薬局に勤務している薬剤師が、看護学校の講師を担当することになっ た。講義では、植物に含まれている麻薬成分が医療用麻薬として使用されているこ とを紹介することにした。最近、高度のがん疼痛のある患者が、その初回の服薬を 躊躇した事例を経験したことから、その場合の対応や、現場での医療用麻薬の有効 な使い方についても講義しようと考えている。患者が服薬を躊躇した事例の処方薬 は、モルヒネ塩酸塩水和物徐放性カプセルとモルヒネ塩酸塩水和物内用液であっ た。 講義で伝える内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・2
正答
1・2
この問題のポイント
がん疼痛の強さに見合うオピオイドを定時投与し、突出痛には速放性製剤を使います。依存への誤解を解いて適正使用を支えます。
解説
がん疼痛に必要量のオピオイドを適切に滴定して定時投与しても、それ自体が生命予後を短縮するとはされません。鎮痛目的で管理して使用する場合、精神依存が生じる可能性は低く、依存への恐怖だけで有効な鎮痛を控えるべきではありません。高度疼痛には強オピオイドを用い、弱オピオイドへ後退させません。モルヒネの活性代謝物は腎排泄されるため、高度腎機能障害では蓄積による傾眠・呼吸抑制に注意し、他薬への変更などを検討します。突出痛には効果発現の速い速放性製剤を使い、徐放性製剤は基礎疼痛の定時管理に用います。
選択肢の確認
1.オピオイドを定期的に鎮痛に必要な量で投与すれば、がん患者の生命予後に影 響を与えない。:正答。適正な鎮痛をためらう理由にはなりません。
2.がん疼痛管理にオピオイドを使用する場合、精神依存が生じる可能性は低く、 オピオイドの使用を控える理由とはならない。:正答です。
3.服薬を躊躇したこの高度のがん疼痛のある患者に対しては、弱オピオイドを提 案する。:強オピオイドによる十分な鎮痛が必要です。
4.高度の腎機能障害がある患者に対しては、この事例の処方薬の投与を推奨す る。:モルヒネ代謝物が蓄積しやすく不適切です。
5.がん疼痛の突出痛がある場合、オピオイドの徐放製剤をレスキュー薬として投 与する。:レスキューには速放性製剤を用います。
覚えるポイント
基礎疼痛=徐放性定時投与、突出痛=速放性レスキュー、腎障害ではモルヒネ蓄積に注意します。