110Q283第110回 薬剤師国家試験 過去問

65 歳男性。帯状疱疹の予防のためにワクチン接種を希望した。男性は、か かりつけの病院で接種可能かを確認し、接種の予約を行った。接種の当日は平熱 で、問診の結果からワクチン接種が可能と判定され、以下のワクチン製剤の1 回目 の接種を行うことになった。 シングリックス筋注用 (注) 1 バイアル(専用溶解用液0.5 mL 1 本添付) 1 回0.5 mL を筋肉内注射 注: 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン。水痘帯状疱疹ウイルス糖タンパク質E 抗原 を有効成分とする凍結乾燥製剤と専用溶解用液からなる。前者は、添加物と して精製白糖及びポリソルベート80 等を含有する。後者は、グラム陰性菌 Salmonella minnesota R595 株のリポ多糖の非毒性型誘導体である3︲脱アシ ル化︲4'︲モノホスホリルリピッドA と精製キラヤサポニンを包含するリポ ソームからなるアジュバントを含有する。 ワクチン接種後、被接種者が待合室に向かう途中で気分が悪いとその場に倒れこ んだ。その場に居合わせた薬剤師と看護師は、待機している医師に対応を要請し た。患者は呼びかけには反応するが、頻脈と蒼白が観察された。駆けつけた医師は 被接種者の症状からアナフィラキシーを疑ったため、その場に居合わせた薬剤師と 看護師とともにチームとして患者に対応した。 この患者に対する迅速な対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。

110Q283の問題画像
2つ選択
解答・解説を見る

正解: 1・3

正答

1・3

この問題のポイント

接種直後のアナフィラキシーでは、体位保持、救援要請、アドレナリン筋注、気道・酸素・循環管理を同時進行で準備します。投与経路と患者状態を見誤らないことが重要です。

解説

画像資料では、凍結乾燥抗原と専用溶解用液からなる筋注用ワクチンの接種直後に、患者が倒れ頻脈・蒼白を示した経過が確認できます。患者を歩かせず仰臥位にして静脈還流を保ち、呼吸・循環を継続評価します。循環不全に備えて静脈路を確保し、急速輸液用の等張電解質液を準備します。第一選択のアドレナリンは大腿外側への筋肉内投与であり、通常の初期対応として静脈内投与はしません。

選択肢の確認

1.患者を仰臥位に保持:正答。急に立たせず循環虚脱を防ぎます。呼吸困難などに応じて体位は調整します。
2.アドレナリンの静脈内投与:初期治療は筋肉内投与であり、静脈内投与は重篤な不整脈などの危険があります。
3.急速輸液に使用する等張電解質液の準備:正答。血管透過性亢進による循環血液量低下へ対応します。
4.二相性反応予防に使用する抗ヒスタミン薬の準備:抗ヒスタミン薬は補助薬で、二相性反応を確実に予防せず、迅速対応の中心ではありません。
5.胸骨圧迫と人工呼吸の実施:呼びかけに反応し脈拍・呼吸がある現時点では直ちに行わず、心肺停止時に開始します。

覚えるポイント

アナフィラキシーは仰臥位、アドレナリン筋注、酸素、静脈路と等張液です。抗ヒスタミン薬で初期対応を遅らせません。

110Q282110Q284
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)