111Q303|第111回 薬剤師国家試験 過去問
76 歳女性。身長 153 cm、体重 42 kg。在宅医療を受けていたが転倒し、大 腿骨近位部骨折のため整形外科にて入院加療となった。後日、仙骨部に褥瘡が認め られたため、褥瘡対策チームが介入することとなった。褥瘡患部は、感染の可能性 のある黄色壊死組織を形成していたため(黄色期)、処方1 の薬剤で治療が開始さ れた。 (処方1 ) カデックス軟膏 0.9% (注) 100 g 1 回適量 1 日2 回 朝夕 患部に塗布 ⎧ | | ⎩ ⎫ | | ⎭ 注:カデキソマー 150、マクロゴール 400、マクロゴール 4,000 を基剤と し、1 g中にヨウ素9 mg を含有する。 2 週間後、褥瘡対策チームの回診の際、医師が褥瘡の診察を行い、処方1 の薬剤 から処方2 の薬剤へ変更となった。 (処方2 ) トレチノイントコフェリル軟膏 0.25% 30 g 1 回適量 1 日2 回 朝夕 患部に塗布 処方2 を開始した 10 日後、褥瘡は滲出液の少ない白色期に移行した。この時期 の病態及び治療について適切なのはどれか。2つ選べ。
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正解: 1・4
正答
1・4
この問題のポイント
白色期は上皮化が進む治癒終盤です。乾燥・摩擦を防いで湿潤環境を保ち、壊死除去中心の治療から切り替えます。
解説
褥瘡の白色期では肉芽組織が収縮し、創縁から表皮細胞が遊走して上皮化が進みます。黒色期から黄色期、赤色期を経て白色期へ改善するため、改善後に黒色期へ移るわけではありません。壊死組織は既に除かれているので、壊死組織除去薬や外科的デブリードマンを積極的に行う段階ではありません。滲出液が少ない創では、水分を補い乾燥を防ぐ乳剤性基剤や、閉塞性により水分蒸散を抑える油脂性基剤が適します。創面保護、適切な湿潤環境、ずれ・圧迫の軽減、栄養管理を続け、脆弱な新生上皮を損傷しないようにします。
選択肢の確認
1.皮膚の上皮化が進み、肉芽組織が収縮している。:正答。白色期の病態です。
2.症状が改善すると、黒色期に移行する。:黒色期は壊死が目立つ前段階です。
3.薬物治療として、積極的に壊死組織を除去する薬剤を使用する。:壊死組織は既に除去されています。
4.軟膏の基剤として、乳剤性基剤又は油脂性基剤が適している。:正答。乾燥を防ぎます。
5.外科的手術として、デブリードマンが推奨される。:白色期に通常必要ありません。
覚えるポイント
白色期=収縮・上皮化・保護。滲出液が少ないため、乾燥を防ぐ基剤と除圧で治癒を支えます。