61AM026第61回 理学療法士国家試験 過去問

運動学習の組合せで正しいのはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正答

1

この問題のポイント

運動学習における「学習の効果的組み合わせ」を正しく識別できるか。特に、学習間の関連性(転移)やフィードバックのタイミング、練習の性質を区別する力が問われている。

解説

運動学習では、過去の経験が新しいスキル習得を促進する「正の転移」が重要です。本問では、ソフトボールの経験が野球の投球動作を早めるというケースが提示されています。これは、類似した動作(投球)をもとにした技能の習得が相互に促進される「正の転移」の典型的な例です。学習の効率を高めるため、関連性のある経験を活かすことが臨床的にも有効です。

一方、他の選択肢は学習理論の誤解を含んでいます。例えば、エラーレス学習は誤りを生じさせないよう段階的に課題を増やす方法であり、計算課題と歩行を同時に行うのは「二重課題」と呼ばれるもので、学習効果を高めるとは言えません。同時フィードバックは動作中にリアルタイムで与えられるもので、動画を終了後に確認するのは「遅延フィードバック」に該当します。パフォーマンスの知識(KP)は動作の質に関する情報(例:姿勢、スピード)であり、荷重の量そのもの(結果)は「結果の知識(KR)」に該当します。メンタル・プラクティスは、実際に動かさず頭の中でイメージを反復するもので、試行錯誤を繰り返すのは「実際の試行」に該当し、誤りです。

選択肢の確認

1.正の転移 ソフトボールの経験が野球の 投球動作の技能向上を早める。
→ 正しい。類似技能の経験が新しいスキル習得を促進する。正の転移の定義に一致。

2.エラーレス学習 トレッドミル歩行練習と 同時に計算課題を行う。
→ 間違っている。これは二重課題であり、学習効率を高めるとは言えない。

3.同時フィードバック バッティング動作時に動画 撮影して終了後に確認する。
→ 間違っている。終了後に確認するのは遅延フィードバック。同時フィードバックは動作中に行われる。

4.パフォーマンスの知識 部分荷重練習時に患側下肢の 荷重量を伝える。
→ 間違っている。荷重量は結果の知識(KR)であり、パフォーマンスの知識(KP)は動作の質に関する情報。

5.メンタル・プラクティス 起居動作練習の時に試行錯誤を 繰り返すと失敗数が減少する。
→ 間違っている。メンタル・プラクティスは試行錯誤ではなく、頭の中でイメージを反復するもの。

覚えるポイント

「正の転移」=類似経験が新しい学習を促進。
「同時フィードバック」=動作中、リアルタイムでフィードバック。
「パフォーマンスの知識」=動作の質(例:バランス、スピード)ではなく、結果(荷重)はKR。
メンタル・プラクティスは「イメージ訓練」であり、実際の動作とは異なる。

61AM02561AM027
学習アプリでこの問題を解く(記録・メモ・カード化)