第108回

108PM011|第108回 保健師国家試験 過去問

労働安全衛生規則において、週1回以上の職場巡視を行うことが規定されているのはどれか。

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正解2

正答

2.衛生管理者

この問題のポイント

労働安全衛生規則が定める職場巡視の頻度を、産業保健の担当者ごとに区別できるかを問う問題です。手がかりは「週1回以上」という頻度です。衛生管理者は毎週1回以上、産業医は毎月1回以上と整理しておけば、迷わず選べます。総括安全衛生管理者と安全衛生推進者には巡視頻度の定めがないことも併せて押さえます。

解説

事業場の安全衛生管理体制

労働安全衛生法は、業種と常時使用する労働者数に応じて、安全衛生管理を担う者を選任するよう事業者に義務づけています。この問題の4つの選択肢は、いずれもこの体制に含まれる役割です。

  • 総括安全衛生管理者:一定規模以上の事業場で選任します。規模の基準は業種によって異なり、林業・建設業・運送業などは常時100人以上、製造業などは300人以上、その他の業種は1,000人以上です。工場長など事業の実施を統括管理する者を充て、安全管理者や衛生管理者を指揮して安全衛生業務を統括管理します。
  • 衛生管理者:業種を問わず、常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任します。労働者数が多いほど選任すべき人数が増えます。
  • 産業医:常時50人以上の事業場で選任します。常時1,000人以上、または一定の有害業務に常時500人以上が従事する事業場では専属の産業医が必要です。常時3,000人を超える事業場では2人以上を選任します。
  • 安全衛生推進者・衛生推進者:常時10人以上50人未満の小規模事業場で選任します。

総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医は、選任すべき事由が生じた日から14日以内に選任し、遅滞なく所轄の労働基準監督署長に報告します。

職場巡視の規定

労働安全衛生規則は、衛生管理者について「少なくとも毎週1回作業場等を巡視」するよう定めています。設備、作業方法または衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに労働者の健康障害を防止するための措置を講じなければなりません。この措置を実際に行えるよう、事業者は衛生管理者に衛生に関する措置をなし得る権限を与える必要があります。衛生管理者は事業場に常駐して衛生の技術的事項を日常的に管理する立場なので、巡視の頻度が最も高く設定されています。

産業医の巡視は「少なくとも毎月1回」が原則です。2017年の規則改正で例外が設けられました。事業者から毎月1回以上、衛生管理者の巡視結果などの所定の情報提供を受け、かつ事業者の同意がある場合は、少なくとも2か月に1回でよいとされています。出題当時もこの規定のもとにありました。産業医は医学的な専門性から作業環境や作業方法を評価し、健康障害のおそれがあれば必要な措置を講じます。

なお、安全管理者にも作業場等の巡視義務がありますが、頻度は定められていません。このように「巡視」という言葉は複数の職種に共通するため、試験では頻度の数字で区別させる出題が典型的です。

保健師の実践との関わり

保健師は、申請により第一種衛生管理者免許を取得できます。そのため、事業場の産業看護職が衛生管理者に選任され、週1回の巡視を担うことがあります。巡視では、作業姿勢や作業時間、照明・換気・温熱などの作業環境、有害物質の取扱い、休憩室やトイレの衛生状態などを確認します。巡視の結果は、常時50人以上の事業場で毎月1回以上開催される衛生委員会での調査審議や、産業医への情報提供につなげていきます。

選択肢の確認

1.産業医:労働安全衛生規則で定められた巡視頻度は「少なくとも毎月1回」であり、週1回ではありません。事業者から衛生管理者の巡視結果などの情報提供を毎月受け、かつ事業者の同意を得ていれば、2か月に1回以上とすることもできます。巡視を行う代表的な職種であるため、「巡視」という語だけで選びやすい選択肢です。「毎月は産業医、毎週は選択肢2」と頻度で区別します。

2.衛生管理者:正答。労働安全衛生規則により、少なくとも毎週1回作業場等を巡視することが義務づけられています。有害のおそれがあれば直ちに健康障害防止の措置を講じる必要があり、そのための権限も事業者から与えられます。常時50人以上の事業場で業種を問わず選任され、衛生に関する技術的事項を日常的に管理する実務の中心です。

3.安全衛生推進者:常時10人以上50人未満の小規模事業場で選任される担当者で、規則上、週1回以上といった巡視頻度は定められていません。林業・建設業・製造業など安全管理者の選任が必要な業種では安全衛生推進者を、それ以外の業種では衛生推進者を選任します。小規模事業場では、選択肢2に相当する役割を担う者と理解すると整理しやすくなります。

4.総括安全衛生管理者:事業場の安全衛生業務を統括管理する立場で、工場長など事業の実施を統括管理する者が充てられますが、巡視頻度の規定はありません。職務は、危険や健康障害の防止措置、安全衛生教育、健康診断の実施などを統括管理することです。安全管理者や選択肢2の職種を指揮する管理責任者であり、自ら定期的に巡視する実務担当者ではありません。

覚えるポイント

  • 職場巡視の頻度は、衛生管理者が毎週1回以上、産業医が毎月1回以上です。産業医は、所定の情報提供を毎月受け、かつ事業者の同意があれば2か月に1回以上にできます。安全管理者は巡視義務があるものの、頻度の定めはありません。
  • 選任基準の労働者数は、衛生管理者と産業医が常時50人以上、安全衛生推進者・衛生推進者が常時10人以上50人未満です。総括安全衛生管理者は業種により常時100人・300人・1,000人以上です。
  • 専属産業医が必要なのは、常時1,000人以上、または有害業務に常時500人以上が従事する事業場です。常時3,000人を超える事業場では産業医を2人以上選任します。
  • 総括安全衛生管理者、衛生管理者、産業医は、選任すべき事由の発生から14日以内に選任し、所轄の労働基準監督署長に報告します。
  • 衛生委員会は、常時50人以上の事業場で設置し、毎月1回以上開催します。
  • 保健師は申請により第一種衛生管理者免許を取得でき、衛生管理者として巡視を担うことがあります。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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