第108回
108PM029|第108回 保健師国家試験 過去問
令和元年度(2019年度)の学校保健統計調査について正しいのはどれか。2つ選べ。
解答・解説を見る
正解2・3
正答
2.裸眼視力1.0未満の小学生は35%程度である。
3.むし歯(う歯)を保有する小学生は前年度に比べて減少している。
この問題のポイント
学校保健統計調査の代表的な2項目である「裸眼視力1.0未満の者」と「むし歯(う歯)の者」について、学校段階ごとのおおよその割合と年次推移を問う問題です。判断の鍵は2つの傾向です。視力1.0未満は学校段階が上がるほど高くなり、年々増えています。むし歯は長期にわたって減り続けています。この2つと、各段階がおよそ何割かを押さえていれば解けます。
解説
学校保健統計調査の概要
学校保健統計調査は文部科学省が行う基幹統計調査です。学校保健安全法に基づく定期健康診断の結果を使い、幼児・児童・生徒の発育状態(身長・体重など)と健康状態(疾病・異常の有無)を明らかにします。対象は幼稚園・小学校・中学校・高等学校などから抽出した学校です。定期健康診断は学校保健安全法施行規則により毎学年6月30日までに行うため、例年は年度初めの測定値が集計されています。
裸眼視力1.0未満の者の割合(令和元年度)
学校保健統計調査(令和元年度)の割合は、おおむね次のとおりです。
- 幼稚園:約26%(およそ4人に1人)
- 小学校:約35%(およそ3人に1人)
- 中学校:約57%(半数を超える)
- 高等学校:約68%(7割近く)
学校段階が上がるほど割合が高くなり、長期的にも増加傾向が続いています。背景として、スマートフォンやゲーム、学習などの近くを見る作業の増加と、屋外活動の減少が指摘されています。
学校の視力検査では370方式が使われます。判定は次の4区分です。
- A:1.0以上
- B:0.9〜0.7
- C:0.6〜0.3
- D:0.3未満
「裸眼視力1.0未満」はB・C・Dを合わせた者を指します。
むし歯(う歯)の者の割合(令和元年度)
同じ調査で、むし歯の者の割合はおおむね次のとおりです。
- 幼稚園:約31%
- 小学校:約45%
- 中学校:約34%
- 高等学校:約44%
前年度(平成30年度)の割合は、幼稚園約35%、小学校約45%(令和元年度よりわずかに高い)、中学校約35%、高等学校約45%でした。したがって令和元年度はすべての学校段階で前年度より減少しています。むし歯は昭和40〜50年代がピークで、当時は小学生の9割以上が保有していました。その後、フッ化物の利用、歯みがき習慣の定着、学校歯科保健活動などにより減少が続いています。12歳の永久歯の1人当たり平均むし歯等数も、1本を下回る水準まで下がっています。
学校段階ごとに見ると、小学校で高く、中学校でいったん下がり、高等学校で再び上がる形です。小学生は乳歯のむし歯も数えられます。中学生になると乳歯がほぼ永久歯に生え替わるため割合が下がり、高校生では年齢とともに永久歯のむし歯が積み重なっていくと理解しておくとよいでしょう。
正答に至る判断
- 小学生の視力1.0未満は約35%なので、選択肢2は正しい記述です。
- 小学生のむし歯は約45.3%から約44.8%へ減少したので、選択肢3も正しい記述です。
- 選択肢1・4・5は、いずれも割合の水準が実際と大きく外れています。
実践とのつながりと、その後の動向
保健師は、学校保健との連携、市町村の歯科保健事業(フッ化物洗口の推進など)、子どものメディア利用に関する健康教育などで、これらの統計を地域診断や事業の根拠として使います。
出題当時の傾向(視力は悪化、むし歯は減少)は、その後の調査でも基本的に変わっていません。ただし令和2年度以降は、新型コロナウイルス感染症の影響で健康診断の実施期間が年度末まで延長された年があります。前後の年度と数値を比べるときは注意が必要です。
選択肢の確認
1.幼稚園児のむし歯(う歯)の保有率は20%程度である。:令和元年度の幼稚園のむし歯の割合は約31%で、3割を超えています。20%程度では低すぎます。前年度の約35%からは減少していますが、「幼稚園でも3割程度」と押さえておきます。
2.裸眼視力1.0未満の小学生は35%程度である。:正答。令和元年度の小学校の割合は約35%(およそ3人に1人)で、記述と一致します。幼稚園の約26%より高く、中学校の約57%より低いという、学校段階とともに上昇する流れの中に位置づけて覚えます。
3.むし歯(う歯)を保有する小学生は前年度に比べて減少している。:正答。小学校のむし歯の割合は、平成30年度の約45.3%から令和元年度の約44.8%へ減少しています。むし歯は長期的な減少傾向にあり、この年度は幼稚園から高等学校まですべての段階で前年度より減っています。
4.中学生のむし歯(う歯)の保有率は45%程度である。:令和元年度の中学校のむし歯の割合は約34%で、3割台です。45%程度に近いのは小学校(約45%)や高等学校(約44%)の値です。むし歯は中学校でいったん低くなるという特徴を知っていれば、取り違えを防げます。
5.裸眼視力1.0未満の高校生は50%程度である。:令和元年度の高等学校の割合は約68%で、7割近くに達しています。50%程度は、半数を超える中学校(約57%)の水準と混同しやすい値です。高等学校は4つの学校段階の中で最も高いと覚えます。
覚えるポイント
- 学校保健統計調査は文部科学省の基幹統計調査で、学校保健安全法に基づく定期健康診断(毎学年6月30日まで)の結果を集計したものです。
- 裸眼視力1.0未満(令和元年度)は、幼稚園約26%、小学校約35%、中学校約57%、高等学校約68%です。学校段階が上がるほど高く、年々増加傾向にあります。
- むし歯の者(令和元年度)は、幼稚園約31%、小学校約45%、中学校約34%、高等学校約44%です。全段階で前年度より減少しており、長期的にも減少傾向です。
- むし歯は「小学校で高い→中学校で下がる→高等学校で再び上がる」という形になります。乳歯から永久歯への生え替わりが関係します。
- 疾病・異常の中で最も割合が高いのは、幼稚園・小学校ではむし歯、中学校・高等学校では裸眼視力1.0未満です。
- 視力検査は370方式(A:1.0以上、B:0.9〜0.7、C:0.6〜0.3、D:0.3未満)で、「1.0未満」はB・C・Dの合計です。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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