第109回

109AM004|第109回 保健師国家試験 過去問

令和2年(2020年)の人口動態統計における年齢階級とその死因第1位の組合せで正しいのはどれか。

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正解2

正答

2.5~9歳 ― 悪性新生物〈腫瘍〉

この問題のポイント

人口動態統計の「年齢階級別の死因順位」のうち、幼児期から10代までの第1位を問う問題です。子どもの死因第1位は、年齢が上がるにつれて入れ替わります。乳幼児期は先天的な病気、学童前半は悪性新生物、10代は自殺という流れを押さえておけば、各階級の第1位を判断できます。

解説

人口動態統計の死因順位の見方

人口動態統計は、出生・死亡・死産・婚姻・離婚の届出をもとに厚生労働省が作成する統計です。死因は死亡診断書(死体検案書)の記載から原死因として分類されます。原死因とは、死亡に至った一連の出来事の起点となった疾病や損傷のことです。順位は「死因順位に用いる分類項目」で数えます。年齢は0歳、1~4歳、以降は5歳ごとの階級で示されます。本問は、この年齢階級別の第1位を問うています。

令和2年(2020年)の年齢階級別の死因第1位

人口動態統計(2020年)の第1位は、次のように並びます。

  • 0歳:先天奇形、変形及び染色体異常
  • 1~4歳:先天奇形、変形及び染色体異常
  • 5~9歳:悪性新生物〈腫瘍〉
  • 10~14歳:自殺
  • 15~19歳:自殺
  • 20代・30代も、各階級で自殺が第1位です。
  • 40代から80代までは、悪性新生物が第1位です。最高齢の階級(95歳以上)では、老衰が第1位になります。

全年齢の総数では、第1位が悪性新生物、第2位が心疾患、第3位が老衰です(人口動態統計・2020年)。高齢化に伴い、老衰の順位が上がってきたことも出題されやすい知識です。

なぜこの並びになるのか

  • 乳幼児期は、先天性心疾患や染色体異常など、生まれつきの病気による死亡がそのまま上位に現れます。不慮の事故も上位に入り、乳児では窒息が多いことが知られています。
  • 5~9歳は、先天的な病気による死亡が減り、死亡数そのものがきわめて少ない年代です。そのなかで小児がんが相対的に目立ち、悪性新生物が第1位になります。小児がんは成人と種類が異なり、白血病が最も多く、脳腫瘍がこれに次ぎます。
  • 10代に入ると、思春期特有の心理的な揺れ、学校や家庭の問題、精神疾患の発症などが重なり、自殺が第1位になります。自殺が10~39歳の各階級で第1位であることは、日本の若年層の健康課題として繰り返し出題されています。

保健師活動とのつながり

この順位は、年代ごとの予防の重点を考える材料になります。

  • 乳幼児期:先天性疾患を早く見つけて療育や医療につなげます。乳幼児健診では事故予防の指導を行います。
  • 学童期:小児慢性特定疾病医療費助成などを通じて、療養を支援します。
  • 10代:自殺対策が重点になります。自殺対策基本法と自殺総合対策大綱のもとで、子ども・若者の自殺対策が重点施策とされています。具体的な取り組みは、学校でのSOSの出し方に関する教育、相談窓口の周知、ゲートキーパーの養成です。

なお、子どもの各年齢階級の第1位は、その後の年次でもおおむね同じ並びが続いています。

選択肢の確認

1.1~4歳 ― インフルエンザ:1~4歳の死因第1位は、先天奇形、変形及び染色体異常です。インフルエンザは幼児でインフルエンザ脳症を起こすことがあり、重症化の印象が強い感染症です。しかし、この年齢階級の第1位にはなりません。しかも令和2年は、新型コロナウイルス感染症への対策の影響もあってインフルエンザの流行が小さく、死亡数は前年より大きく減りました。1~4歳では不慮の事故も上位に入るため、家庭内の事故防止がこの時期の重要な保健指導になります。

2.5~9歳 ― 悪性新生物〈腫瘍〉:正答。5~9歳では、先天的な病気による死亡が減り、死亡数全体も少なくなります。そのなかで、白血病や脳腫瘍などの小児がんが第1位を占めます。子どもの年齢階級で悪性新生物が第1位になるのは、この階級だけです。「10歳になる前の境目」として覚えておくと整理しやすくなります。

3.10~14歳 ― 不慮の事故:10~14歳の死因第1位は自殺で、悪性新生物、不慮の事故がこれに続きます。子どもの事故のイメージや、15~19歳で不慮の事故(交通事故など)が第2位に入ることと混同しやすい選択肢です。不慮の事故は子どもの多くの年齢階級で上位に入りますが、令和2年に第1位となった階級はありません。

4.15~19歳 ― 心疾患:15~19歳の死因第1位も自殺で、第2位は不慮の事故、第3位は悪性新生物です。心疾患はこれらより下位です。若年者では心筋症や不整脈による心臓突然死が問題になり、学校保健安全法に基づく学校心臓検診で早期発見が図られています。ただし、死因順位の上位3位には入りません。

覚えるポイント

  • 0歳・1~4歳の死因第1位は、先天奇形、変形及び染色体異常です。
  • 5~9歳の第1位は悪性新生物です。小児がんは白血病が最も多く、次いで脳腫瘍です。
  • 10~14歳から30代までは、各階級で自殺が第1位です。10代では、悪性新生物と不慮の事故がこれに続きます。
  • 40歳代~80歳代の第1位は悪性新生物です。超高齢の階級(95歳以上)では老衰が第1位です。総数では悪性新生物、心疾患、老衰の順です(2020年)。
  • 不慮の事故は子どもの多くの年齢階級で上位に入りますが、第1位ではない点に注意します。
  • 死因順位は、死亡届と死亡診断書に基づく人口動態統計の原死因で数えます。出題年の統計を基準に考えます。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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