第109回
109AM003|第109回 保健師国家試験 過去問
令和元年(2019年)の労働力調査における日本の女性の労働で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解4
正答
4.非正規の雇用形態はパート・アルバイトが最も多い。
この問題のポイント
総務省「労働力調査」(令和元年=2019年平均)から、女性の働き方の全体像を問う問題です。問われているのは、就業者数の増減、労働力人口に占める女性の割合、年齢階級別労働力率(M字カーブ)の頂点、非正規雇用の内訳の4点で、いずれも保健師国試で繰り返し出題されます。細かい数値を暗記していなくても、「増加か減少か」「何割か」「どの年齢階級が頂点か」「どの雇用形態が最多か」という傾向と順位をつかんでいれば解けます。
解説
労働力調査の基本用語
正誤を判断するには、まず用語の定義を正確に押さえておく必要があります。
- 労働力調査は総務省統計局が毎月実施する標本調査で、就業・失業の実態を明らかにします。年平均の結果は毎年公表されます。
- 15歳以上人口は、労働力人口と非労働力人口に分かれます。労働力人口=就業者+完全失業者です。
- 労働力率は「労働力人口÷15歳以上人口×100」、就業率は「就業者÷15歳以上人口×100」で求めます。この2つは混同しやすいので注意が必要です。
- 役員を除く雇用者は「正規の職員・従業員」と「非正規の職員・従業員」に分けられます。非正規には、パート、アルバイト、労働者派遣事業所の派遣社員、契約社員、嘱託などが含まれます。
2019年の女性の労働の姿
就業者数:女性の就業者は2010年代前半から毎年増加を続け、労働力調査(2019年平均)では2,992万人と前年より増えました。背景には、共働き世帯の増加、育児休業制度や保育の受け皿の整備、高齢期まで働く女性の増加があります。なお、翌2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で女性の就業者数がいったん減少しました。そのため、この種の問題では、問われている年次を必ず確認する必要があります。
労働力人口に占める割合:同調査(2019年平均)で、女性は労働力人口の4割台半ば(約44%)です。男性のほうが多く、女性が過半数を占めているわけではありません。
年齢階級別労働力率:女性の労働力率を年齢階級別にグラフにすると、20歳代後半で高くなり、結婚・出産・育児期の30歳代でいったん下がり、子育てが落ち着く40歳代で再び上がるM字型を描きます。2019年も、最も高いのは25~29歳の階級です。近年は晩婚化・晩産化や就業継続の支援策の広がりによって谷が浅くなり、台形に近づいてきています。
雇用形態:女性の役員を除く雇用者では、非正規の職員・従業員が5割を超えています。男性の非正規の割合は2割程度にとどまり、男女差が大きい点が特徴です。女性の非正規の内訳ではパート・アルバイトが大部分を占めて最も多く、契約社員、派遣社員がこれに続きます。
保健師活動とのつながり
この知識は、単に統計の暗記にとどまりません。労働時間の短い非正規労働者は、事業者が行う一般健康診断や被用者保険の対象から外れる場合があり、健診の受診機会や所得保障が十分でないことがあります。また、M字カーブの谷は、妊娠・出産・育児と仕事の両立がなお課題であることを示しています。地域の健康課題を把握し、働く女性や子育て世代への支援を考えるときの背景として重要な知識です。
選択肢の確認
1.就業者は前年に比べ減少している。:労働力調査(2019年平均)で女性の就業者は2,992万人となり、前年より増加しているため、記述は当てはまりません。女性の就業者は長期的に増加傾向にあります。減少したのは新型コロナウイルス感染症の影響を受けた2020年で、年次を取り違えると誤って選びやすい選択肢です。
2.労働力人口の総数の約6割を占めている。:同調査で女性が労働力人口に占める割合は4割台半ば(約44%)で、約6割ではありません。約6割を占めるのはむしろ男性の側です。「約6割」という数字は、女性雇用者に占める非正規の割合(5割を超える水準)と混同しやすいので注意が必要です。
3.年齢階級別労働力率では40~44歳が最も高い。:女性の年齢階級別労働力率はM字型を描き、2019年に最も高いのは25~29歳の階級なので、記述は当てはまりません。40歳代はM字の谷から再び上昇していく「2つ目の山」にあたりますが、20歳代後半の頂点には届いていません。
4.非正規の雇用形態はパート・アルバイトが最も多い。:正答。女性の非正規の職員・従業員のうち、パート・アルバイトが大部分を占めて最も多く、契約社員、派遣社員がこれに続きます。女性は雇用者の半数以上が非正規で、その中心がパート・アルバイトであるという構造は、労働力調査で一貫してみられる特徴です。
覚えるポイント
- 労働力人口=就業者+完全失業者です。労働力率は「労働力人口÷15歳以上人口」、就業率は「就業者÷15歳以上人口」で求めます。
- 女性の就業者数は長期的に増加傾向にあります。例外として、2020年はコロナ禍でいったん減少しました。問題文の年次を必ず確認します。
- 労働力人口に占める女性の割合は4割台半ば(約44%、2019年)で、過半数ではありません。
- 女性の年齢階級別労働力率はM字カーブを描きます。頂点は25~29歳、谷は30歳代、40歳代で再上昇し、近年は谷が浅くなって台形に近づいています。
- 女性雇用者の非正規の割合は5割超(男性は2割程度)です。内訳はパート・アルバイトが最多で、次いで契約社員、派遣社員の順です。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
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