第109回
109AM002|第109回 保健師国家試験 過去問
自治会の説明で正しいのはどれか。
解答・解説を見る
正解1
正答
1.地縁組織である。
この問題のポイント
自治会(町内会)がどのような組織かを問う、公衆衛生看護の基本問題です。判断の鍵は2つあります。1つは、自治会が「同じ地域に住む」ことを結び付きの基盤とする地縁組織であることです。もう1つは、設置も加入も住民の自発性に任された任意の団体であることです。区域の単位や加入資格を法律が決めているわけではないと分かれば、選択肢2〜4は除外できます。
解説
地縁組織と機能的組織
地域の住民組織は、何を基盤に結び付いているかで2つに分けると整理しやすくなります。
- 地縁組織:同じ地域に住んでいること(地縁)を基盤とし、その地域の住民で構成される組織です。自治会・町内会、地区ごとに組織される子ども会や老人クラブ、自主防災組織などが当たります。
- 機能的組織(テーマ型・目的型の組織):住む場所ではなく、共通の目的・関心・課題で結び付く組織です。NPO、ボランティア団体、患者会、セルフヘルプグループなどが当たります。
自治会・町内会は地縁組織の代表です。一定の区域に住む世帯や住民が加入し、その地域の暮らしに共通する課題に取り組みます。具体的には、ごみ集積所や防犯灯の管理、清掃、祭りなどの行事、回覧板による情報伝達、防災訓練、高齢者の見守りなどです。名称は自治会、町内会、区会など、地域によって異なります。
法律上の位置づけ
自治会の設置を義務づける法律はありません。自治会は住民が自発的に組織する任意の団体で、加入も任意です。
地方自治法には、「地縁による団体」が市町村長の認可を受けて法人格を得られる仕組み(認可地縁団体)があります。ただし、これは団体が自ら申請した場合に法人格を与える制度です。自治会の設置や住民の加入を強制するものではありません。
認可の要件には、区域に住所を有するすべての個人が構成員になれることが含まれています。年齢で加入を制限するという考え方とは相いれない仕組みです。
区域の単位
自治会の区域は、町・丁目や集落などを単位に住民自身が定めます。規模は数十世帯程度から大規模なものまで幅があります。多くは小学校区より狭く、1つの小学校区の中に複数の自治会があるのが一般的です。さらに自治会の内部は、班や組に分かれていることが多くあります。
小学校区や中学校区は、複数の自治会がまとまった自治会連合会、地区社会福祉協議会、まちづくり協議会などの単位として使われることが多い区域です。
保健師活動とのつながり
保健師は地区を担当して活動する中で、自治会を住民と協働するための重要なパートナーと位置づけます。
- 地区診断では、自治会の組織状況、活動内容、加入率が、地域の結び付きの強さを知る手がかりになります。
- 協働の場面としては、健康教室の周知や開催、高齢者の見守り、災害時の安否確認、避難行動要支援者の支援などがあります。
- 自主防災組織は、自治会を単位として組織されていることが多くあります。
地縁によるつながりはソーシャルキャピタルの重要な要素です。厚生労働省健康局長通知「地域における保健師の保健活動について」(2013年)でも、ソーシャルキャピタルを活用した事業の展開が求められています。一方で、都市部を中心に加入率の低下や役員の高齢化が課題となっています。そのため保健師には、地縁組織とテーマ型組織の両方の強みを生かして連携する視点も必要です。
選択肢の確認
1.地縁組織である。:正答。自治会は、一定の区域に住む住民が、住んでいる地域が同じであることを基盤として結び付いた組織で、地縁組織の典型です。地方自治法が認可地縁団体として法人格を認める「地縁による団体」も、自治会・町内会を主に想定したものです。
2.小学校区が最小単位である。:自治会の区域は町・丁目や集落などを単位に住民自身が定めるもので、多くは小学校区より狭い範囲です。1つの小学校区に複数の自治会があり、自治会の中もさらに班や組に分かれるのが普通です。小学校区は、自治会連合会や地区社会福祉協議会などの単位として使われることが多く、これと取り違えさせる選択肢です。
3.設置の義務が法律に定められている。:自治会は住民が自発的に組織する任意の団体であり、設置を義務づける法律はありません。地方自治法の認可地縁団体の規定は、申請した団体に市町村長の認可で法人格を与える仕組みです。設置や加入を強制する規定ではない点に注意します。
4.加入できるのは18歳以上の者である。:自治会は世帯単位で加入する形が多く、法律で年齢による加入資格の制限が定められているわけではありません。認可地縁団体の要件でも、区域に住所を有するすべての個人が構成員になれることが求められています。18歳は選挙権年齢や民法上の成年年齢(2022年4月から)であり、これらと混同させる選択肢です。
覚えるポイント
- 自治会・町内会は、住む地域が同じことを基盤とする地縁組織の代表です。設置も加入も任意です。
- 地縁組織(自治会、地区の子ども会・老人クラブ、自主防災組織など)と、目的や関心で結び付く機能的組織(NPO、ボランティア団体、患者会、セルフヘルプグループなど)を区別します。
- 地方自治法の認可地縁団体は、申請に基づいて法人格を与える制度であり、設置義務ではありません。構成員は区域に住むすべての個人に開かれており、年齢制限はありません。
- 自治会の区域は多くが小学校区より小さい範囲です。小学校区は、自治会連合会や地区社協などの単位になりやすい区域です。
- 地縁組織はソーシャルキャピタルの担い手です。保健師は地区診断、健康づくり、見守り、災害対策で自治会と協働します。
掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。
問題文・正答・解説に誤りを見つけたら、この問題の誤りを報告する(medixmatch2025@gmail.com)までお知らせください。確認して修正します。
解いた記録を残して、苦手な問題をもう一度。
学習アプリなら、この問題の解答記録・メモ・暗記カード化を使えます。