77AM56|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
ヒトの半致死線量で正しいのはどれか。
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正解: 3
正答
3
この問題のポイント
この問題では、放射線全身被ばくにおける 半致死線量 の意味が問われています。
半致死線量とは、集団の 50%が死亡する線量、または逆に 生存率が 50%になる線量 を指します。
したがって、正しいのは 3.生存率が 50%になる線量である。 です。
解説
半致死線量は、英語では LD₅₀〈median lethal dose〉 と表されます。
LD は lethal dose、つまり致死線量を意味します。
LD₅₀ は、ある条件下で被ばくした集団のうち、50%が死亡する線量です。
放射線生物学では、全身被ばく後の急性放射線障害を考えるときに重要な概念です。
ヒトの全身被ばくでは、骨髄障害、消化管障害、中枢神経障害などが線量に応じて問題になります。
ただし、半致死線量は固定値として常に 1 つに決まるものではありません。
医療処置の有無、年齢、健康状態、被ばくの範囲、線量率などによって変化します。
ひっかけポイント
半致死線量は「50〜60 Gy」という意味ではありません。
「50」という数字は線量ではなく、死亡率または生存率が 50% という意味です。
LD₅₀ の表し方
半致死線量は、観察期間を付けて表すことがあります。
- LD₅₀/30:30 日以内に 50%が死亡する線量
- LD₅₀/60:60 日以内に 50%が死亡する線量
ヒトでは急性放射線障害の評価で、60 日程度の観察期間が用いられることがあります。
選択肢の確認
1.誤り。
50〜60 Gy は、ヒトの半致死線量としては高すぎます。
半致死線量の「50」は、50 Gy という意味ではなく、死亡率または生存率が 50%であることを示します。
2.誤り。
Dq 線量は、細胞生存曲線で亜致死損傷からの回復能などを表す指標です。
半致死線量 LD₅₀ と同義ではありません。
3.正しい。
半致死線量は、集団の生存率が 50%になる線量、または死亡率が 50%になる線量です。
したがって、この選択肢が正答です。
4.誤り。
半致死線量は観察期間を付けて LD₅₀/30 や LD₅₀/60 のように表すことがあります。
しかし、ヒトの半致死線量を一律に「被ばく後 30 日の生存率で判定する」とするのは適切ではありません。
5.誤り。
定位放射線治療の線量計算では、標的線量、正常組織線量、線量分布、分割などを扱います。
半致死線量は、定位放射線治療の線量計算に用いる概念ではありません。
覚えるポイント
- 半致死線量 = LD₅₀。
- LD₅₀ は、死亡率 50% または 生存率 50% となる線量。
- 「50」は 50 Gy という意味ではない。
- Dq 線量は細胞生存曲線の指標であり、LD₅₀とは別物。
- LD₅₀/30 や LD₅₀/60 のように、観察期間を付けて表すことがある。