77AM67第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

診療画像検査学診療画像機器品質・安全管理

MRI 装置でボリューム送信コイルを使用した場合、JIS で規定されている通常操作モードでの全身 SAR[W/kg]の上限値はどれか。

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正解: 3

正答

3

この問題のポイント

この問題では、MRI の安全管理で重要な SAR〈specific absorption rate:比吸収率〉 の上限値が問われています。

ボリューム送信コイルを使用した場合、JIS で規定されている通常操作モードでの全身 SAR の上限値は、

  • 2.0 W/kg

です。

したがって、正答は 3.2.0 です。

解説

SAR は、RF パルスによって体内に吸収される単位質量あたりの電力を表します。

単位は W/kg です。

MRI では、RF パルスによって組織が加温される可能性があります。

そのため、患者の安全を守るために、操作モードごとに SAR の上限が定められています。

通常操作モードは、通常の臨床検査で用いられる安全側の操作範囲です。

ボリューム送信コイルを使用する場合、全身 SAR の通常操作モード上限は 2.0 W/kg です。

ひっかけポイント
MRI 安全管理の数値問題では、通常操作モード、第一次水準管理操作モード、局所 SAR、頭部 SARなどが混同されやすいです。
この問題は、通常操作モードの全身 SARを聞いています。

SAR が上昇しやすい条件

SAR は、RF 照射に関係する条件で増加します。

代表的には、次のような条件で SAR が高くなりやすいです。

  • 磁場強度が高い
  • フリップ角が大きい
  • RF パルスが多い
  • TR が短い
  • 高速スピンエコー系の撮像
  • 体格が大きい
  • 送信範囲が広い

選択肢の確認

1.誤り。
0.1 W/kg は通常操作モードでの全身 SAR 上限値ではありません。

この問題で問われている値より小さすぎます。

2.誤り。
0.5 W/kg は通常操作モードでの全身 SAR 上限値ではありません。

ボリューム送信コイル使用時の全身 SAR 上限は 2.0 W/kg です。

3.正しい。
JIS で規定されている通常操作モードでの全身 SAR 上限は 2.0 W/kg です。

したがって、この選択肢が正答です。

4.誤り。
3.2 W/kg は、別の条件の SAR 値と混同しやすい数値です。

通常操作モードの全身 SAR 上限としては 2.0 W/kg を選びます。

5.誤り。
10.0 W/kg は通常操作モードの全身 SAR 上限ではありません。

局所 SAR などの別条件と混同しないようにします。

覚えるポイント

  • SAR = RF による単位質量あたりの吸収電力
  • 単位は W/kg
  • 通常操作モードでの全身 SAR 上限は 2.0 W/kg
  • SAR は患者の体温上昇リスクに関係する。
  • SAR は RF パルス条件、磁場強度、撮像法などで変化する。

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