77AM72第77回 診療放射線技師国家試験 過去問

理工学・放射線科学放射線計測装置放射線検出器の構造と特性

個人被ばく線量計に用いられる検出材料で光子に対するエネルギー依存性が最も小さいのはどれか。

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正解: 2

正答

2

この問題のポイント

この問題では、個人被ばく線量計に用いられる検出材料のうち、光子に対するエネルギー依存性が小さい材料が問われています。

正しいのは LiF です。

LiF は実効原子番号が人体軟部組織に近く、光子に対する応答のエネルギー依存性が比較的小さい材料です。

解説

個人被ばく線量計では、人体が受ける線量をできるだけ正しく評価する必要があります。

そのため、検出材料の応答が光子エネルギーによって大きく変化しすぎると、実際の被ばく線量を正しく評価しにくくなります。

光子に対するエネルギー依存性は、検出材料の実効原子番号に強く関係します。

特に低エネルギー光子領域では、光電効果の寄与が大きくなります。

光電効果は原子番号に強く依存するため、実効原子番号が高い材料では低エネルギー光子に対する感度が大きく変化しやすくなります。

**LiF〈フッ化リチウム〉**は、実効原子番号が人体軟部組織に比較的近く、組織等価性が高い材料です。

そのため、個人被ばく線量計に用いられる検出材料の中でも、光子に対するエネルギー依存性が小さい材料として重要です。

ひっかけポイント
線量計材料として感度が高いことと、エネルギー依存性が小さいことは別です。
この問題では「感度」ではなく、光子エネルギーが変わっても応答が変わりにくい材料を選びます。

材料の特徴

  • LiF:組織等価性が高く、エネルギー依存性が小さい。
  • CaSO₄:感度は高いが、実効原子番号が高くエネルギー依存性が大きい。
  • Al₂O₃:線量計材料として用いられるが、LiF より組織等価性は低い。
  • リン酸塩ガラス:蛍光ガラス線量計に用いられるが、LiF よりエネルギー依存性が大きい。
  • Si:半導体検出器材料として用いられるが、人体軟部組織とは実効原子番号が異なる。

選択肢の確認

1.誤り。
Si は半導体検出器に用いられる材料ですが、個人被ばく線量計材料として光子エネルギー依存性が最も小さいものではありません。

人体軟部組織との等価性という点では LiF が有利です。

2.正しい。
LiF は実効原子番号が人体軟部組織に近く、光子に対するエネルギー依存性が比較的小さい材料です。

個人被ばく線量計に用いられる検出材料として重要です。

3.誤り。
Al₂O₃ は線量計材料として用いられますが、LiF と比べると光子に対するエネルギー依存性は大きくなります。

最も小さい材料としては LiF を選びます。

4.誤り。
CaSO₄ は熱蛍光線量計材料として高感度ですが、実効原子番号が高く、光子エネルギー依存性が大きい材料です。

5.誤り。
リン酸塩ガラスは蛍光ガラス線量計に用いられます。

しかし、光子に対するエネルギー依存性が最も小さい材料としては LiF が適切です。

覚えるポイント

  • 個人線量計では、人体に近い応答を示す組織等価性が重要。
  • LiF は組織等価性が高い
  • LiF は光子に対するエネルギー依存性が比較的小さい。
  • CaSO₄ は高感度だがエネルギー依存性が大きい。
  • 「感度が高い材料」と「エネルギー依存性が小さい材料」を区別する。

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