77PM15|第77回 診療放射線技師国家試験 過去問
空間分解能補正を組み込んだ PET 画像再構成法で集積部の辺縁を縁取ったような高集積を生じるアーチファクトはどれか。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
PET の画像再構成で空間分解能補正、特に PSF 補正を組み込むと、集積部の辺縁に過補正が生じることがあります。
その結果、病変や高集積部の周囲が縁取られたように高く見えることがあり、これはギブスアーチファクトとして扱われます。
解説
PET では、装置の空間分解能に限界があるため、小さな病変や集積部の辺縁は本来よりぼやけて描出されます。
空間分解能補正を組み込んだ再構成では、このぼけを補正して辺縁を鋭くしようとします。代表的には、点広がり関数である PSF〈point spread function〉 を利用した補正が行われます。
しかし、強い集積と背景のように信号差が急に変化する境界では、補正が強く働きすぎることがあります。その結果、境界部に信号の振動や過大評価が生じ、集積部の辺縁がリング状、または縁取り状に高集積として見えることがあります。
このような辺縁の過強調はギブスアーチファクトです。
ひっかけポイント
空間分解能補正は画質を改善する目的で使われますが、強い集積の境界では過補正により偽の高集積を生じることがあります。
「辺縁を縁取ったような高集積」という表現が、ギブスアーチファクトを選ぶ重要な手がかりです。
PET での注意点
ギブスアーチファクトが生じると、集積部の辺縁が実際より高く評価されることがあります。
そのため、SUVmax が過大評価されたり、病変の辺縁が実際より明瞭に見えたりすることがあります。特に小病変や高集積病変では、再構成条件による見え方の変化に注意が必要です。
選択肢の確認
1.誤り。
アップワードクリープは、主に心筋 SPECT などで撮像中の体動や横隔膜位置の変化により、心臓の位置が時間とともに上方へずれて見える現象です。PET の空間分解能補正による辺縁の縁取り状高集積を説明するものではありません。
2.正しい。
ギブスアーチファクトは、急峻な信号変化の境界で過補正や信号の振動が生じ、辺縁に高集積または低集積の縁取りが現れるアーチファクトです。空間分解能補正を組み込んだ PET 画像再構成で問題となります。
3.誤り。
スターアーチファクトは、投影データ数の不足や強い集積源などにより、放射状の線状アーチファクトが星状に出現するものです。辺縁を縁取るような高集積とは異なります。
4.誤り。
ストリークアーチファクトは、線状のすじ状アーチファクトです。CT では金属や高吸収体、投影データの不整合などでみられます。PET でもデータ不良などで線状アーチファクトが問題になることがありますが、集積部辺縁のリング状過集積を示す用語ではありません。
5.誤り。
トランケーションアーチファクトは、被写体の一部が撮像視野外にはみ出し、投影データが欠損することで生じるアーチファクトです。FOV 不足やデータ切れが原因であり、空間分解能補正による辺縁過集積とは異なります。
覚えるポイント
- PET の空間分解能補正では、PSF 補正が重要です。
- PSF 補正は辺縁を鋭くしますが、過補正により偽の高集積を生じることがあります。
- 集積部の辺縁を縁取るような高集積は、ギブスアーチファクトを考えます。
- ギブスアーチファクトでは、SUVmax が過大評価されることがあります。
- PET の画質評価では、再構成条件によるアーチファクトも確認します。