78AM69|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
Bragg-Gray〈ブラッグ・グレイ〉の空洞理論で誤っているのはどれか。
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正解: 5
正答
5.空気と物質の吸収線量の比は質量エネルギー吸収係数の比に等しい。
問題のポイント
Bragg-Grayの空洞理論は、物質中に小さな空洞、たとえば電離箱の空気空洞を置いたとき、空洞内で測定した電離量から周囲物質の吸収線量を求めるための理論です。
重要なのは、空洞が十分小さく、周囲物質中の荷電粒子場を乱さないと考える点です。
Bragg-Gray空洞理論の基本
Bragg-Grayの空洞理論では、空洞内の線量と周囲物質の線量の関係は、質量阻止能比で表されます。
簡単にいうと、
物質の吸収線量 / 空洞気体の吸収線量
= 物質と気体の質量衝突阻止能比
として扱います。
つまり、Bragg-Gray理論で重要なのは「質量エネルギー吸収係数」ではなく、「質量阻止能」です。
なぜ5が誤りか
選択肢5では、空気と物質の吸収線量の比が「質量エネルギー吸収係数の比」に等しいとしています。
しかし、Bragg-Gray空洞理論では、空洞内に線量を与える主な粒子は電子などの荷電粒子です。
そのため、吸収線量の比は、荷電粒子のエネルギー損失を表す質量衝突阻止能の比で考えます。
質量エネルギー吸収係数は、光子が物質にエネルギーを吸収させる過程を扱う係数です。
Bragg-Gray空洞理論で直接使う基本量ではありません。
したがって、5が誤りです。
他の選択肢との区別
1.荷電粒子に適用できる。
正しいです。
Bragg-Gray空洞理論は、電子などの荷電粒子が空洞内を通過して電離を起こすことを前提にします。
2.電子平衡状態で成立する。
正しいです。
線量評価では、周囲物質中の二次電子場が安定していることが重要です。
特に光子線場で電離箱を用いる場合、電子平衡またはそれに近い条件が重要になります。
3.空洞内の電子フルエンスは一様である。
正しいです。
空洞が十分小さく、電子場を乱さない場合、空洞内の荷電粒子フルエンスは周囲物質中と同じように扱えます。
4.空洞の大きさは二次電子の最大飛程より小さい。
正しいです。
空洞が大きすぎると、空洞内で電子場が変化し、周囲物質中の電子フルエンスを代表できなくなります。
Bragg-Gray空洞では、空洞は二次電子の飛程に比べて十分小さい必要があります。
5.空気と物質の吸収線量の比は質量エネルギー吸収係数の比に等しい。
誤りです。
Bragg-Gray空洞理論では、吸収線量の比は質量衝突阻止能比で表されます。
覚えるポイント
Bragg-Gray空洞理論では、次の点を押さえます。
- 小さな空洞を考える
- 空洞は荷電粒子場を乱さない
- 空洞の大きさは二次電子の飛程より十分小さい
- 線量比は質量衝突阻止能比で表す
- 質量エネルギー吸収係数比ではない
本問は「誤っているもの」を選ぶため、正答は5です。