78AM8|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
発症 1 〜 6 時間における脳梗塞病変部について、拡散強調像と T2 強調像の信号 強度の組合せで正しいのはどれか。 拡散強調像ーーーーT2 強調像
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正解: 2
正答
2.高信号ーーーー等信号
問題のポイント
発症早期の脳梗塞では、拡散強調像〈DWI〉が最も早く異常を検出しやすいです。
発症1〜6時間の超急性期〜急性期では、脳梗塞部位に細胞性浮腫が起こります。
その結果、水分子の動きが制限され、拡散強調像では高信号になります。
一方、T2強調像では、発症直後はまだ明らかなT2延長が出にくいため、病変部は等信号に見えることが多いです。
したがって、組合せは、
- 拡散強調像:高信号
- T2強調像:等信号
となります。
なぜ拡散強調像で高信号になるか
脳梗塞が起こると、血流低下により細胞のエネルギー代謝が障害されます。
すると、Na⁺/K⁺ポンプの働きが低下し、水が細胞内へ移動します。
この状態を細胞性浮腫といいます。
細胞性浮腫では、細胞外腔が狭くなり、水分子が自由に動きにくくなります。
この「拡散制限」によって、拡散強調像では病変部が高信号に描出されます。
なお、急性期脳梗塞ではADC mapでは低信号になります。
DWI高信号とADC低下がそろうと、真の拡散制限を示す所見として重要です。
なぜT2強調像では等信号か
T2強調像で高信号になるには、組織内の水分増加やT2延長がある程度進む必要があります。
しかし、発症1〜6時間の早期では、T2強調像で明らかな変化がまだ出ていないことがあります。
そのため、T2強調像では病変部が正常脳実質とほぼ同じ信号、つまり等信号に見えることが多いです。
このため、急性期脳梗塞では、T2強調像よりも拡散強調像の方が早期診断に有用です。
他の選択肢との区別
1.高信号ーーーー低信号
誤りです。
拡散強調像が高信号になる点は合っていますが、発症早期のT2強調像で低信号になるのは典型的ではありません。
2.高信号ーーーー等信号
正しいです。
発症1〜6時間の脳梗塞では、拡散強調像で高信号、T2強調像で等信号となることが多いです。
3.低信号ーーーー高信号
誤りです。
T2強調像で高信号となるのは、時間が経過して浮腫が明瞭になってからです。
また、発症早期の脳梗塞では拡散強調像は低信号ではなく高信号になります。
4.低信号ーーーー低信号
誤りです。
急性期脳梗塞の病変部は拡散強調像で高信号を示すため、この組合せは合いません。
5.低信号ーーーー等信号
誤りです。
T2強調像が等信号となる点は早期脳梗塞として合っていますが、拡散強調像は低信号ではなく高信号です。
覚えるポイント
脳梗塞のMRI信号変化は、時間経過で整理すると覚えやすいです。
発症早期、特に1〜6時間では、
- 拡散強調像〈DWI〉:高信号
- ADC map:低信号
- T2強調像:等信号のことが多い
となります。
つまり、急性期脳梗塞では「DWIが先に陽性、T2はまだ目立たない」と覚えると判別しやすいです。
本問では、発症1〜6時間の脳梗塞病変部を問うているため、正答は 2.高信号ーーーー等信号 です。