78AM89|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
腹部 CT で正しいのはどれか。
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正解: 5
正答
5.ダイナミックCT検査では非イオン性水溶性ヨード造影剤を使用する。
問題のポイント
腹部CTでは、肝臓、膵臓、腎臓、脾臓、消化管、腹部血管などを評価します。
特に造影CTでは、静脈内にヨード造影剤を投与し、撮影タイミングを変えて複数相を撮影することで、臓器や病変の血流動態を観察します。
このように、造影剤投与後に時間を追って撮影する検査をダイナミックCTといいます。
なぜ5が正しいか
腹部のダイナミックCTでは、非イオン性水溶性ヨード造影剤を静脈内投与して撮影します。
非イオン性水溶性ヨード造影剤は、現在のCT造影検査で広く用いられている造影剤です。
血管内に投与すると、血流に乗って全身へ分布し、臓器や血管、腫瘍の造影効果を評価できます。
腹部ダイナミックCTでは、代表的に、
- 動脈相
- 門脈相
- 平衡相
- 遅延相
などを目的に応じて撮影します。
例えば肝細胞癌では動脈相で濃染し、門脈相や平衡相でwashoutを示すことがあります。
このように、造影剤の時間的変化を見るために、非イオン性水溶性ヨード造影剤を用います。
したがって、5が正しいです。
他の選択肢との区別
1.心電同期撮影を行う。
誤りです。
心電同期撮影は、心臓CTや冠動脈CTなど、心拍動によるブレを抑えるために用いられます。
通常の腹部CTでは、心電同期撮影は行いません。
2.造影検査前は水分制限を行う。
誤りです。
造影CTでは、腎機能や脱水に注意が必要です。
一般に、造影剤腎症のリスクを下げるためには、脱水を避けることが重要です。
検査内容によって食事制限を行うことはありますが、「造影検査前は水分制限を行う」とするのは不適切です。
3.位置決めの基準点は胸骨上窩とする。
誤りです。
胸骨上窩は頸部〜胸部上部の体表指標です。
腹部CTの位置決め基準としては不適切です。
腹部CTでは、検査目的に応じて横隔膜上部から骨盤部までなど、撮影範囲を設定します。
4.体幹部に両手を下ろした状態で撮影する。
誤りです。
腹部CTでは、通常、両上肢を挙上して撮影します。
両手を体幹部に下ろしたまま撮影すると、腕によるビームハードニングアーチファクトや線量増加の原因になります。
ただし、挙上困難な患者ではやむを得ず下ろして撮影することもあります。
5.ダイナミックCT検査では非イオン性水溶性ヨード造影剤を使用する。
正しいです。
腹部ダイナミックCTでは、非イオン性水溶性ヨード造影剤を静脈内投与し、時相ごとの造影効果を観察します。
覚えるポイント
腹部CTでは、次の点を押さえます。
- 通常は心電同期撮影を行わない
- 造影検査では脱水を避けることが重要
- 両上肢は可能な限り挙上する
- ダイナミックCTでは非イオン性水溶性ヨード造影剤を使用する
- 動脈相、門脈相、平衡相などの時相で病変の血流動態を評価する
本問では、腹部ダイナミックCTで非イオン性水溶性ヨード造影剤を使用するという5が正答です。