78PM28|第78回 診療放射線技師国家試験 過去問
外部照射に用いる電子線の特徴で正しいのはどれか。
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正解: 4
正答
4.エネルギーが低いほどビルドアップ領域の線量勾配が急峻になる。
この問題のポイント
外部照射に用いる電子線の線量分布の特徴を問う問題です。
電子線は、X線と比べて飛程が限られているため、表在性病変の治療に適しています。
重要なのは、電子線ではエネルギーが低いほど浅い深さで線量が急に変化するということです。
そのため、低エネルギー電子線ではビルドアップ領域の線量勾配が急峻になります。
したがって、正しい選択肢は
4.エネルギーが低いほどビルドアップ領域の線量勾配が急峻になる。
です。
解説
電子線の深部線量分布では、表面から少し深いところまで線量が上昇し、その後、ある深さを超えると急激に低下します。
電子線の特徴は次の通りです。
- 表在性病変に向いている
- エネルギーが高いほど深くまで届く
- エネルギーが低いほど浅いところで線量変化が起こる
- 一定の深さを超えると線量が急激に低下する
- X線のように深部までなだらかに線量が続くわけではない
低エネルギー電子線では、最大線量深が浅くなります。
そのため、表面から最大線量深までの距離が短くなり、ビルドアップ領域の線量勾配は急になります。
選択肢の確認
1.照射野が大きくなると最大線量深は深くなる。
誤りです。
電子線の最大線量深は、主に電子線エネルギーによって決まります。
照射野の大きさも線量分布に影響しますが、照射野が大きくなれば最大線量深が単純に深くなる、とはいえません。
2.エネルギーが低いほど放射損失の割合は増加する。
誤りです。
電子のエネルギーが高くなるほど、制動放射などによる放射損失の割合は増加します。
低エネルギーでは、主に衝突損失が中心です。
したがって、この記述は逆です。
3.線量分布を変化させる場合はウェッジフィルタを用いる。
誤りです。
ウェッジフィルタは主にX線治療で線量分布を傾けるために用いられます。
電子線治療では、ボーラス、コーン、カットアウト、エネルギー選択などで線量分布や照射範囲を調整します。
4.エネルギーが低いほどビルドアップ領域の線量勾配が急峻になる。
正しいです。
低エネルギー電子線では最大線量深が浅く、表面近くで線量が急に上昇します。
そのため、ビルドアップ領域の線量勾配は急峻になります。
これが本問の正答です。
5.ガントリ照射口から射出されたスペクトルは線スペクトルである。
誤りです。
治療用電子線は、加速後に散乱やエネルギー損失を受けるため、単一エネルギーだけの線スペクトルではありません。
照射口から出る電子線は、ある程度のエネルギー幅をもつ連続的なスペクトルになります。
覚えるポイント
電子線の特徴は、X線と比較して整理すると覚えやすいです。
- 電子線:表在性病変に向く
- 電子線:飛程が有限で、深部で急に線量が低下する
- エネルギーが高い:より深くまで届く
- エネルギーが低い:浅いところで急に線量が変化する
- 電子線の照射野形成:コーン、カットアウト、ボーラスなど
- ウェッジフィルタ:主にX線治療で用いる
この問題では、電子線エネルギーとビルドアップ領域の関係を問うているため、正しい選択肢は
4.エネルギーが低いほどビルドアップ領域の線量勾配が急峻になる。
です。