37PM178|第37回 管理栄養士国家試験 過去問
次の文を読み「177」、「178」、「179」に答えよ。 K 病院に勤務する管理栄養士である。 患者は、58 歳、男性。COPD で、3 年前より吸入薬を使用していた。風邪がきっかけで呼吸困難となり救急搬送された。入院後、気管支拡張薬、ステロイド薬が投与され、酸素療法を行っている。 入院時、身長170 cm、体重50 kg、BMI 17.3 kg/m²。血圧132/90 mmHg、心拍数135 回/分、血清アルブミン値3.8 g/dL、安静時エネルギー消費量1,440 kcal/日。 入院1 日目は呼吸苦や腹部膨満感により食事を摂取できなかった。入院2 日目に、静脈栄養法と併せて、経口摂取による栄養補給を行った。用いる栄養補助食品である。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
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正解: 2
正答
2
この問題のポイント
呼吸苦や腹部膨満感のあるCOPD増悪患者に用いる栄養補助食品の選択です。少量で高エネルギーがとれるかどうかが判断のポイントです。
解説
この患者はBMI 17.3 kg/m²の低体重で、呼吸苦・腹部膨満感のため食事が十分にとれていません。必要エネルギー量は多い(約2,200 kcal/日)のに摂取量が少ないため、少量で効率よくエネルギーを補給できる栄養補助食品が適しています。
MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)は吸収されやすく、脂質なので1 g当たりのエネルギー量も高い成分です。MCT含有ゼリーは80 gで200 kcal、つまり2.5 kcal/gです。ほかの選択肢より少ない容量で多くのエネルギーを補えるため、腹部膨満感があるこの患者に最も適しています。
脂質は糖質より呼吸商が低いという特徴もありますが、この設問での第一の判断材料は「少量・高エネルギー」です。COPD患者すべてに高脂肪食を一律に勧めるという意味ではありません。
選択肢の確認
1.嚥下困難者用ゼリー(9 kcal/150 g)
最も適切とはいえない。この患者に嚥下障害はなく、150 gでわずか9 kcalとエネルギーがほとんど補給できません。かさばるだけで腹部膨満を助長します。
2.MCT 含有ゼリー(200 kcal/80 g)
最も適切である。80 gで200 kcalとエネルギー密度が高く、少量で補給できます。腹部膨満感があり、必要量に対して摂取量が不足している患者に適しています。
3.低リンミルク(90 kcal/100 mL)
最も適切とはいえない。低リンミルクは腎機能低下時などに用いる製品で、この患者にリン制限は不要です。エネルギー密度も高くありません。
4.低カリウムミルク(85 kcal/100 mL)
最も適切とはいえない。低カリウムミルクも腎疾患などでカリウム制限が必要な場合の製品で、この患者には該当しません。
覚えるポイント
- COPDの栄養補給は「少量で高エネルギー」が原則(エネルギー密度の高いものを選ぶ)。
- MCT(中鎖脂肪酸)は消化吸収が速く、効率のよいエネルギー源。
- この事例では、病名だけでなく容量当たりのエネルギー量を比較する。