38PM189第38回 管理栄養士国家試験 過去問

応用力試験第38回午後・問171〜200

次の文を読み「188」、「189」、「190」に答えよ。 K 病院の消化器内科病棟に配置されている管理栄養士である。 患者は、75 歳、男性。C 型慢性肝炎で、10 年前より通院加療していた。摂食機能に問題はない。最近、朝方の全身倦怠感が強くなり受診したところ、精査目的で入院となった。 入院時、身長165 cm、体重55 kg、BMI 20.2 kg/m²。標準体重60 kg。浮腫(-)、腹水(-)。空腹時の血液検査値は、アルブミン2.7 g/dL、血糖90 mg/dL、AST 65U/L、ALT 50 U/L、アンモニア65 μg/dL(基準値30~80 μg/dL)。 この患者における、1 日当たりの指示エネルギー量と指示たんぱく質量の組合せである。最も適切なのはどれか。1 つ選べ。 エネルギー たんぱく質(kcal/日) (g/日)

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正解: 4

正答

4

この問題のポイント

C型慢性肝炎から進展した非代償性肝硬変の患者について、標準体重を用いて適切なエネルギー量とたんぱく質量を選ぶ問題です。肝性脳症がない段階では、低栄養を防ぐため十分なエネルギーとたんぱく質を確保します。

解説

前問でこの患者はChild-Pugh分類Cの肝硬変と判断されますが、浮腫・腹水はなく、アンモニア65 μg/dLは基準範囲内で、肝性脳症を示す所見もありません。

標準体重60 kgを用いると、エネルギーは35 kcal/kg/日として60×35=2,100 kcal/日です。たんぱく質は約1.2 g/kg/日として60×1.2=72 g/日となるため、選択肢では70 g/日が適切です。エネルギー不足では体たんぱく質の分解が進み、低栄養を悪化させます。

アルブミン低値は肝合成能の低下や病態の重症度も反映するため、単にたんぱく質を増やせば正常化するものではありません。ただし、本症例にはたんぱく質を35 g/日まで制限する根拠はありません。

選択肢の確認

1.1,500 ── 35
適切でない。標準体重60 kgに対してエネルギー25 kcal/kg、たんぱく質約0.6 g/kgにとどまり、いずれも不足します。

2.1,500 ── 70
適切でない。たんぱく質70 gは妥当ですが、エネルギー1,500 kcalでは不足し、異化を招くおそれがあります。

3.2,100 ── 35
適切でない。エネルギー2,100 kcalは妥当ですが、肝性脳症のない患者にたんぱく質35 gとするのは過度な制限です。

4.2,100 ── 70
最も適切。標準体重60 kg当たり、エネルギー35 kcal/kg、たんぱく質約1.2 g/kgに相当し、低栄養を防ぎながら必要量を確保できます。

覚えるポイント

  • 肝硬変では、病期、肝性脳症、腹水、低栄養の有無をまとめて評価する。
  • この症例は、60 kg×35 kcal=2,100 kcal、60 kg×約1.2 g=約70 g。
  • アルブミン低値は肝合成能低下の影響も受ける。値だけを見てたんぱく質量を決めない。

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