111AM008|第111回 看護師国家試験 過去問

学童期の脈拍数の基準値はどれか。

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正解: 2

正答

2.80〜100/分

この問題のポイント

小児のバイタルサインの基準値を、発達段階ごとに問う問題です。脈拍数は新生児期に最も多く、成長とともに段階的に減って成人の値に近づきます。この流れと各時期のおおよその数値を押さえていれば解けます。学童期(おおむね6〜12歳、小学生の時期)は、乳幼児と成人の中間にあたる値を選ぶのが判断の鍵です。

解説

年齢とともに脈拍数が減る理由

心拍出量は「1回拍出量×心拍数」で表されます。小児は心臓が小さく、1回拍出量が少ないのが特徴です。一方で、体重あたりの代謝量や酸素消費量は成人より多くなります。そのため、必要な心拍出量を心拍の回数で補っています。とくに乳幼児は1回拍出量を増やす余力が小さく、心拍出量が心拍数に大きく左右されます。

成長とともに次の変化が起こり、安静時の脈拍数はゆるやかに下がっていきます。

  • 心臓が大きくなり、1回拍出量が増える
  • 自律神経、とくに副交感神経による調節が成熟する

年齢別の目安

教科書によって幅は多少異なりますが、国家試験ではおおむね次の目安で考えます。

  • 新生児:120〜140/分
  • 乳児:110〜130/分前後(120〜140/分とする教科書もあります)
  • 幼児:90〜110/分前後
  • 学童:80〜100/分
  • 成人:60〜80/分(一般に100/分を超えると頻脈、60/分未満で徐脈)

呼吸数も同じように減っていきます。目安は、新生児40〜50/分、乳児30〜40/分、幼児20〜30/分、学童18〜20/分、成人12〜18/分程度です。これに対して血圧は年齢とともに上昇します。「脈拍・呼吸は下がり、血圧は上がる」という逆向きの関係もよく問われます。

臨床での活かし方

小児のバイタルサインは、必ず年齢ごとの基準に照らして評価します。成人の基準をそのまま当てはめると、判断を誤るおそれがあります。

  • 乳児の正常な脈拍を「頻脈」と判断してしまう
  • 学童の脈拍が60/分台まで下がっていても、異常な徐脈を見落としてしまう

小児の徐脈は、低酸素などで循環が破綻しかけているサインのことがあります。蘇生ガイドラインでは、小児で心拍数60/分未満かつ循環不良があれば、胸骨圧迫を開始する目安とされています。

測定するときは次の点に注意します。

  • 啼泣・体動・興奮で値が大きく変動するため、安静時や睡眠中に1分間測定します。
  • 乳幼児では、呼吸→脈拍→体温のように、侵襲の少ない項目から順に測ります。
  • 乳児は心尖部の聴診や上腕動脈で測ることが多く、学童では成人と同様に橈骨動脈で触知できます。
  • 発熱すると脈拍は増えます(目安として体温1℃の上昇でおよそ10/分程度)。値を解釈するときは、体温もあわせて確認します。

選択肢の確認

1.50〜70/分:成人の基準である60〜80/分程度よりもさらに低めの範囲です。持久系の運動習慣がある成人の安静時にみられるような値にあたります。学童期の子どもが安静時にこの範囲であれば、基準より明らかに少なく、徐脈を疑うべき状態です。小児では60/分未満の徐脈が循環不全の徴候となることがあるため、正常値として覚えてはいけない範囲です。

2.80〜100/分:正答。学童期の脈拍数の基準にあたる範囲です。幼児期(90〜110/分前後)からさらに少し下がり、成人の値に近づいていく途中の段階として位置づけられます。

3.110〜130/分:乳児期の基準にあたる範囲で、学童期の安静時にこの値であれば頻脈と判断します。発熱、疼痛、脱水、不安、測定直前の運動などの影響がないかを確認します。乳児の値と学童の値を取り違えやすいため、発達段階の順に並べて覚えることが大切です。

4.140〜160/分:新生児の基準である120〜140/分の上限をも上回る範囲です。学童期であれば高度の頻脈にあたります。胎児心拍数の正常な基線(110〜160bpm)と混同しやすい数値なので注意します。

覚えるポイント

  • 脈拍数の目安は、新生児120〜140、乳児110〜130前後、幼児90〜110前後、学童80〜100、成人60〜80(/分)と、階段状に減っていきます。
  • 呼吸数も、新生児40〜50、乳児30〜40、幼児20〜30、学童18〜20、成人12〜18程度(/分)と減少します。血圧だけは年齢とともに上昇します。
  • 小児の脈拍が多いのは、1回拍出量が少なく代謝が活発なためです。心拍出量を心拍数で補っています。
  • 小児のバイタルサインは成人の基準で判断しません。小児の60/分未満の徐脈は危険な徴候になりえます。
  • 小児は安静時に1分間測定し、乳幼児では呼吸→脈拍→体温の順に、泣かせないように測ります。
  • 胎児心拍数の正常な基線は110〜160bpmです。新生児・乳児の脈拍と区別して覚えます。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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