111AM009|第111回 看護師国家試験 過去問

日本の女性における平均閉経年齢に最も近いのはどれか。

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正解: 3

正答

3.50歳

この問題のポイント

日本人女性の**平均閉経年齢(約50歳)**を問う知識問題です。閉経の定義と判定方法、閉経を中心とした更年期の範囲、そして年齢の基準(40歳未満の閉経は早発卵巣不全)を一緒に整理しておくと、選択肢を迷わず絞り込めます。

解説

閉経とは、卵巣の卵胞が減少して機能が停止し、月経が永久に止まった状態をいいます。日本人女性の平均閉経年齢は**約50歳(50〜51歳)**で、選択肢のなかでは50歳が最も近くなります。

閉経は、ある日を「閉経した日」とその場で決めることはできません。最終月経から12か月以上月経がないことを確認して、さかのぼって最終月経の時点を閉経と判定します。子宮摘出後などで月経による判定ができない場合は、血中のホルモン値や症状を参考にします。

閉経の前後で起こる内分泌の変化は次のとおりです。

  • 卵胞の数が減り、卵巣から分泌されるエストロゲンが低下します。
  • エストロゲンによる視床下部・下垂体への負のフィードバックが弱まり、**FSH(卵胞刺激ホルモン)**やLHが上昇します。
  • 排卵が起こりにくくなるため、黄体から分泌されるプロゲステロンも低下し、閉経前には月経周期の乱れがみられます。

このため、閉経前後の判断では「エストロゲン低値・FSH高値」の組み合わせが手がかりになります。

更年期は、閉経の前後5年ずつを合わせた10年間を指します。平均閉経年齢の50歳を中心に考えると、おおむね45〜55歳にあたります。この時期にみられるのぼせ(ホットフラッシュ)・発汗・動悸などの血管運動神経症状や、イライラ・抑うつ・不眠などの精神症状を更年期症状といいます。そのうち、日常生活に支障を来すものを更年期障害と呼びます。症状の評価には簡略更年期指数(SMI)などが用いられ、治療にはホルモン補充療法(HRT)、漢方薬、向精神薬などが選択されます。

エストロゲンには骨吸収を抑える作用や、脂質代謝を良好に保つ作用があります。そのため閉経後には、次のような長期的な健康問題が生じやすくなります。

  • 骨量の減少による骨粗鬆症
  • LDLコレステロールの上昇による脂質異常症と、それに伴う動脈硬化性疾患のリスク増加
  • 腟・外陰・尿路の萎縮による性交痛、萎縮性腟炎、頻尿や尿失禁

看護の場面では、50歳前後の女性の訴えを更年期と結び付けて評価することが大切です。症状への対処だけでなく、骨密度検診の勧め、運動やカルシウム・ビタミンDの摂取、生活習慣病予防の保健指導につなげる視点が求められます。一方で、動悸や抑うつ、不正出血などをすべて「更年期のせい」と決めつけず、甲状腺疾患やうつ病、婦人科悪性腫瘍などを見逃さない姿勢も必要です。

選択肢の確認

1.30歳:30歳は性成熟期のさなかで、卵巣機能が保たれ、妊娠・出産が多い年代です。日本の第1子出生時の母の平均年齢も近年は30歳を超えています(人口動態統計)。この年齢で月経が永久に止まれば、**40歳未満の閉経にあたる早発卵巣不全(POI)**として精査と治療の対象になります。平均閉経年齢とはかけ離れています。

2.40歳:40歳は、早発卵巣不全と判断される「40歳未満」の境界にあたる年齢で、平均閉経年齢より約10年早くなります。40歳代に入ると月経周期の変化がみられ始める人はいますが、多くの女性はまだ閉経に至っていません。「40歳」は早発卵巣不全の基準年齢として覚える数値であり、平均閉経年齢と取り違えないようにします。

3.50歳:正答。日本人女性の平均閉経年齢は約50歳(50〜51歳)で、選択肢のなかで最も近い値です。この年齢を中心に前後5年ずつ、おおむね45〜55歳が更年期にあたります。

4.60歳:60歳では大多数の女性がすでに閉経を迎えており、閉経後に骨粗鬆症や脂質異常症などが問題になりやすい時期です。一般に55歳以降の閉経は遅発閉経とされ、60歳は平均から大きく外れます。また、閉経後に性器出血がある場合は子宮体癌などを疑って受診を勧めることが重要で、この年代で「まだ月経がある」と自己判断しないよう注意が必要です。

覚えるポイント

  • 日本人女性の平均閉経年齢は**約50歳(50〜51歳)**です。参考として、平均初経年齢は約12歳です。
  • 閉経は最終月経から12か月以上の無月経を確認して、さかのぼって判定します。
  • 更年期は閉経の前後5年、計10年(おおむね45〜55歳)です。更年期症状のうち日常生活に支障を来すものが更年期障害です。
  • 閉経期のホルモン変化は「エストロゲン↓・FSH↑」です。その結果、骨粗鬆症、脂質異常症、泌尿生殖器の萎縮が起こりやすくなります。
  • 40歳未満の閉経は早発卵巣不全です。閉経後の性器出血は子宮体癌を疑う重要なサインです。

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