111AM001|第111回 看護師国家試験 過去問

労働力調査による労働力人口の令和元年(2019年)平均に最も近いのはどれか。

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正解: 3

正答

3.6,800万人

本問は必修問題として妥当でないと判断され、正解した受験者のみを採点対象とし、不正解の受験者は採点対象から除外されました。公式正答は有効です。

この問題のポイント

労働力調査でいう「労働力人口」の定義と規模を問う問題です。労働力人口は、15歳以上人口のうち就業者と完全失業者を合わせたもので、令和元年(2019年)平均は6,886万人でした(労働力調査)。総人口(約1億2,600万人)や15〜64歳の生産年齢人口(約7,500万人。いずれも人口推計、2019年10月1日現在)と区別し、「15歳以上人口の約6割」という構造から桁をつかむことが判断の鍵です。

解説

手がかりは「労働力調査による」「労働力人口」「令和元年平均」という言葉です。労働力調査は、総務省統計局が統計法に基づく基幹統計調査として毎月行う標本調査です。選ばれた世帯の15歳以上の人が、原則として月末の1週間(調査週間)にどのような就業状態にあったかを調べます。毎月の結果の平均は、年平均として公表されます。問われているのは人口の総数ではありません。「働いている人と、仕事を探している人」の数だという点をまず確認します。

労働力調査の区分

15歳以上人口は、年齢や身分ではなく、調査週間中の就業・求職の状態によって次のように分けられます。

  • 労働力人口:就業者と完全失業者の合計です。年齢の上限はなく、65歳以上でも、働いている人や仕事を探している人は含まれます。
  • 就業者:従業者と休業者の合計です。従業者は、調査週間中に収入を伴う仕事を1時間以上した人です(家族従業者は無給でも含みます)。このため、アルバイトなどで1時間以上働いた学生や、家事のかたわらパートで働く人も従業者です。休業者は、仕事を持ちながら休んでいる人です。育児休業中の人も、給料や育児休業給付金を受けることになっていれば、休業者として就業者に数えられます。
  • 完全失業者:次の3条件をすべて満たす人です。①仕事がなく、調査週間中に少しも仕事をしなかった。②仕事があればすぐ就ける。③調査週間中に、求職活動や事業を始める準備をしていた。
  • 非労働力人口:就業者でも完全失業者でもない人です。仕事をしておらず、求職もしていない人が該当します。通学のみの学生、家事に専念している人、高齢者などです。

関連する指標は次の3つです。

  • 労働力人口比率:労働力人口÷15歳以上人口×100
  • 就業率:就業者÷15歳以上人口×100
  • 完全失業率:完全失業者÷労働力人口×100

完全失業率の分母が15歳以上人口ではなく労働力人口である点は、よく問われます。

令和元年の数値と桁のつかみ方

令和元年(2019年)平均の労働力人口は6,886万人で、就業者6,724万人と完全失業者162万人の合計です。労働力人口は7年連続の増加で、完全失業率は2.4%と低い水準でした(労働力調査、2019年平均)。

数値を正確に覚えていなくても、構造から桁を推測できます。

  • 総人口は約1億2,600万人、15歳未満人口は約1,500万人です。したがって、15歳以上人口は約1億1,100万人です(人口推計、2019年10月1日現在)。
  • そのうち約6割が労働力人口です(2019年の労働力人口比率は約62%)。
  • 1億1,100万人×0.62≒6,900万人となり、選択肢の中では6,800万人が最も近くなります。

生産年齢人口との違いと動向

生産年齢人口は、15〜64歳という年齢だけで区切った人口区分で、2019年は約7,500万人でした(人口推計、2019年10月1日現在)。これに対して労働力人口は、就業・求職という状態で区切る概念です。15〜64歳でも、就業も求職もしていない人(通学のみの学生、家事に専念している人など)は含まれません。逆に、65歳以上でも働いている人や仕事を探している人は含まれます。このため、両者は包含関係にありません。二つを混同すると、実際より大きい数値を選んでしまいます。

生産年齢人口は1995年をピークに減少が続いています。一方、労働力人口は、女性と高齢者の就業が進んだことにより、2019年まで増加を続けていました。女性の年齢階級別労働力人口比率は、結婚・出産期の年代で低下するM字カーブを描きますが、その底は浅くなってきています。2020年は新型コロナウイルス感染症の影響で8年ぶりに減少しましたが、その後も7,000万人に近い規模で推移しています(労働力調査)。こうした動向は、看護職員の確保、働き方改革、治療と仕事の両立支援、産業保健活動を考える前提になります。

本問は採点上、必修問題として妥当でないとされ、正解者のみを採点対象とする取扱いとなりました。ただし、公式正答の6,800万人は有効です。細かな数値を暗記するよりも、定義と人口構造の関係で理解しておくと、年次が変わった問題にも対応できます。

選択肢の確認

1.4,800万人:令和元年の労働力人口6,886万人より2,000万人以上少ない数値です。労働力人口は就業者(2019年は6,724万人)に完全失業者を加えたものなので、就業者数を下回ることはありません。15歳以上人口に占める割合も4割強となり、約6割という労働力人口比率と合いません。むしろ、非労働力人口(労働力調査、2019年平均で約4,200万人)のほうに近い規模です。労働力人口と非労働力人口を取り違えないよう注意します。

2.5,800万人:実際の労働力人口より1,000万人以上少ない数値です。令和元年は就業者だけで約6,700万人おり、それに完全失業者を加えた労働力人口がこれより少なくなることはありません。15歳以上人口に占める割合も5割強で、約6割という労働力人口比率と合いません。

3.6,800万人:正答。令和元年の労働力人口は、就業者6,724万人と完全失業者162万人を合わせた6,886万人で(労働力調査、2019年平均)、選択肢の中で最も近い値です。15歳以上人口約1億1,100万人の約6割という規模とも一致します。

4.7,800万人:実際の労働力人口より約900万人多く、15歳以上人口の約7割にあたる数値です。15〜64歳の生産年齢人口(人口推計、2019年10月1日現在で約7,500万人)をも上回ります。労働力人口を生産年齢人口と同じものと考えると、このような大きい値を選びやすくなります。しかし、生産年齢人口には、就業も求職もしていない学生や家事に専念している人なども含まれます。一方、労働力人口には65歳以上の就業者も含まれるという違いがあります。

覚えるポイント

  • 労働力人口は就業者と完全失業者の合計で、15歳以上が対象です(年齢の上限はありません)。完全失業者は「仕事がない」「すぐ就ける」「求職活動をしている」の3条件をすべて満たす人です。
  • 区分は、年齢や身分ではなく調査週間中の状態で決まります。アルバイトなどで収入を伴う仕事を1時間以上した学生は、就業者として労働力人口に含まれます。非労働力人口は、就業も求職もしていない人(通学のみの学生、家事に専念する人、高齢者など)です。
  • 生産年齢人口は年齢(15〜64歳)で区切る人口区分、労働力人口は就業・求職の状態で区切る概念で、両者は別物です。
  • 令和元年(2019年)平均は、労働力人口6,886万人、就業者6,724万人、完全失業者162万人、完全失業率2.4%です(労働力調査)。
  • 完全失業率は完全失業者÷労働力人口×100で求めます。労働力人口比率は労働力人口÷15歳以上人口×100で求め、2019年は約62%です。
  • 2019年の桁の目安は、総人口約1億2,600万人>15〜64歳人口約7,500万人>労働力人口約6,900万人>就業者約6,700万人です(人口推計・労働力調査)。

掲載内容は受験学習用に編集しています。正式な正答・採点上の取扱いは、各試験実施機関の発表を優先してください。 情報の確認方法と訂正窓口は編集方針に掲載しています。 本サービスは診断・治療・臨床判断を目的とするものではありません。

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